見出し画像

夏を迎えて。

毎春、花粉症に悩まされている。
5月のゴールデンウィークをすぎたあたりに、
目鼻のぐずぐずが収まってくれるのに、
今年はいまだに少々ぐずついている。
薬を飲むほどではないにしろ、黄砂でも
舞っているのか、気になってしまうのだった。
加えてここしばらく、胃の具合がよろしくない。
たいして食べているわけでもないのに、
すぐに腹が苦しくなって、気持ちがわるくなる。
朝飯に昼飯はほとんど食べない。
夕飯は、ビールや酒を酌みながら、ちょっとした
つまみを突っつく程度だった。
胃がせっせと動くこともなく、歳も重なって、
弱っているのかもしれない。
親しいかたがたと、調子に乗って深酒をした翌朝は、
昔よりも回復がわるい。すっかりしじみ習慣が
手放せなくなっている。
夏場、冷たいアルコールを飲む量も増える。
酔っ払って腹を出したままつぶれて、
胃腸をこわさぬようにしなければいけない。
子供の頃から肩こりで、血行が良くなるようにと、
親に養命酒を飲まされていた。
友だちに話したら、
若いのにじじいみたいとからかわれた。
近ごろ肩こりに、首痛に頭痛も伴うようになり、
腰痛も昔から抱えている。
痛みで眠れないときもあり、困ってしまう。
酔っ払わないことには、安眠もできないのだった。
体調がわるいと、気分も浮かない。
仕事もひまで、ますます浮かない。
これではいけないと、先日気分転換に、
一階の仕事場と二階の住まいの片づけをした。
長らく放っておいた不要なものを捨て、
整理整頓をしたら、気分もいくらかさっぱりする。
仕事場の入口に暖簾をかけている。
これまでかけていた厚手の暖簾を、夏に合わせて
薄手の暖簾に変えることにした。
ところが毎日、陽にさらされ、ときには強い雨風を
受けたりするから、薄い生地は痛みや色褪せが早く、
昨年捨ててしまった。
思案して、手ごろな値段の手ぬぐいで作ることにした。
近所の土産物屋で、おなじ柄の水色の手ぬぐいを二枚。
上の端をテープでつなげて、入口にぶら下げたら、
見ごろをむかえた、ガマズミの白い花と相まって、
なかなか好い。
隣の湯本さんの奥さんに、
まあ、涼しげねえとほめられて、浮かない気分を
持ち上げてもらったのだった。

水色の手ぬぐいふたつ夏暖簾。

いいなと思ったら応援しよう!