春爛漫。
先週に続いて上田へ出かけた。
城跡公園の桜が見頃をむかえたのだった。
日曜日の夕方足を運ぶと、大勢の花見客でにぎわっている。
先週見頃だった城門前の枝垂桜は、すっかり葉桜に
なっていた。
お堀ばたのソメイヨシノは満開で、水面をたくさんの花びらが
彩っている。まわりを囲む食い物の屋台はどこもたくさんの客が
並び、テキ屋のお兄さんお姉さんは、稼ぎ時で忙しい。
子供たちからお年寄りまで、桜を楽しむたくさんの人を
眺めていると、春のにぎやかさが戻ってきたことが、
嬉しく思えるのだった。ゆっくりと桜を愛でて、
薄暮の穏やかさを感じながら袋町へ行き、
めめ家さんで今夜の一杯と相成った。
お通しで黒ラベルを空けて、冷やしトマトで,亀の海の
純米を酌むと、端正なすっとした味わいが好い。
この夜は、初めて見かける女の子が働いていた。
注文を頼めば、笑顔でにっこりはきはきと
返事をして、てきぱき動く姿が気持ちが好い。
帰り際、ご主人にその旨を伝えて、また来ますと挨拶をして
店を出た。翌朝、ふたたびぶらぶらと城跡公園に出向いた。
この日も好い天気に誘われて、午前から花見客の姿が多い。
ブルーシートを広げて早々に宴会を始めるおじさんたちに、
ちいさな子供とママ友さんのグループに、のんびり桜を
見上げている老夫婦に、思いおもいにそれぞれの春を
楽しんでいる。金麦を飲みながら、のどかな気分に
満たされたのだった。
歩く先々、風に乗って桜の花びらが散っていく。
今年も見ごろの時期に足を運べて良かった。満足して
公園をあとにした。
蕎麦屋の昼酒に久しぶりの塩田屋へ行くと、
いつものように白髪頭のお母さんと、娘さんが笑顔で
迎えてくれた。お母さん、元気そうでなによりです。
ひじきの煮物とかぼちゃでキリンラガーを空けて、
菜の花の辛し和えで御園竹の燗酒を酌む。
緊張感のない性格で、いつもゆるく暮らしているけれど、
春になると輪をかけてゆりゆるになる。
今年も桜に和ませていただいた。酒の味もよくよく
美味しいことだった。
お堀端思い思いの桜かな。
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