免許の更新に。
休日、運転免許証の更新に出かけた。
5年間、これといった違反をしていなかったから、
このたびも、近所の警察署で簡単に手続きが
できるものと思っていたら、
交通安全センターで1時間の講習を受けろと
知らせが届いた。
よくよく振り返ったら、思い当たる節があった。
以前、母を助手席に乗せたときに、
うっかりシートベルトをはめ忘れた。
たまたま通りかかった婦警さんに
見とがめられて、免許証の点数を引かれたのだった。
朝の通勤ラッシュに巻き込まれぬよう、
早めに自宅を出て、交通安全センターへ向かった。
ふだん、父の形見の軽自動車に乗っている。
乗るといっても、自宅と仕事場が
一緒だから、通勤で使うことがない。
買い物は近所のセブンイレブンと、
生活協同組合の配達で間に合うから、
買い出しに使うこともない。
月にいちどか二度、
母親をお医者へ連れて行くとき以外は、
ぜんぜん使っていないのだった。
おかげで、購入してから8年が経つというのに、
いまだ走行距離が、14000キロにも
満たない。
仮に50000キロまで乗るとして、計算したら、
あと20年かかると出た。
20年・・
免許を返納する歳になっているではないか・・
父の形見だし、愛着もあるし、
車はもう買い替えることをせず、
一生付き合っていくことと決めた。
講習では、わき見運転に飲酒運転、昨今問題の
あおり運転の危険について講師の先生が
述べておられた。
38年前、走行中にわき見をして、
前方の車にぶつかってしまい、3か月間、
免停になった。
32年前、北陸自動車道で、居眠り運転の車に
突っ込まれ、全治1か月の大けがで
入院した。
加害者と被害者、ともに味わって、
以来、車の運転に際しては、無理をせぬよう、
前方後方、よくよく注意をはらっている。
町で見かけると、男女を問わず、
なんだかなあという運転を
しているかたが少なくない。
信号が黄色から赤に変わるときに
強引に突っ込んでいったり、
細い道を、速度を緩めずに走っていったり、
一時停止を怠ったり、目にするたびに、
人の振り見て我が振り直せと言い聞かせている。
善光寺の御開帳が始まって、
参拝客でにぎわっている。
観光シーズンになると、
自宅の前の一方通行の道を、標識を見落として
逆走する観光客を、日に何人も
見かけるのだった。
ここで見張っていれば、おもしろいように
切符が切れるのにと、
おまわりさんに教えたくなってしまった。
講習を受けて、あらためて安全運転を
言い聞かせ、新しい免許証をもらって、
さっぱりと交通安全センターをあとにした。
免許証の写真は、いかにも花粉にやられていますの
さえない顔つきで、
5年間、この写真と付き合うかと思ったら、
なんだか気持ちがしぼむのだった。
花粉症免許の写真ぐずぐずで。