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夏を待って。

毎年5月の連休を迎える頃には、花粉症が収まってくるのに、
今年はよろしくない。
花粉なのか細かいほこりなのか、いまだ鼻水が出て
目がかゆい。
早朝の散歩から帰ってきたら、鼻の穴を掃除して、目と顔を
洗っている。先日、日中の陽気の好さに、仕事場の入口を
網戸にしていたら、空気清浄機が威勢よくごおごおと動き出した。
そのうちに鼻水が出てきて、慌てて戸を閉めた。
夕方、風呂に入って顔を洗っても、ぜんぜん止まる気配がない。
あいにく花粉症の薬を切らしていた。晩酌の最中で、
酒と一緒に飲むのはどうかと思ったものの、風邪薬で代用した。
天気の様子もはっきりせず、気温の上がらない日が多い。
夏物の衣類と入れ替えに、収納箱に仕舞いこんだ長袖のシャツや
パンツをふたたび引っ張り出して着ている。
今年は桜や梅や菜の花の開花が早く、玄関先のガマズミも、
例年よりも早く蕾が膨らんでいる。向かいの松木さんちの
つたの葉も、すっかりつやつやの緑の葉を茂らしている。
早々に暑くなると思っていたのに、なんともあいまいな、
天気だった。
平日の午前、スマホに電話がかかってきた。
覚えのない番号にいぶかしながら出てみたら、
こんにちは、相原と申しますと言われ、合点がいった。敬愛する
写真家の、相原正明さんだった。
昨年の12月、東京のギャラリーで開かれた作品展に
おじゃまして、初めてお会いした。主にオーストラリアと
国内の風景を撮っているかたで、迫力ある作品の数々と、
気さくなお人柄にほれぼれとした。
しばらくして、クラウドファンディングで買わせてもらった
サイン入りの写真集が届いて、丁寧なお礼の手紙が
添えられていた。
昨年上田に来られたときがあった。仕事を終えて、上田駅前の
居酒屋、幸村に行ったところ、地酒の和田龍がとても美味しかったと
ブログにあげていた。
この頃発売になった、和田龍の新酒を送らせてもらったのだった。
そのお礼の電話だった。
今年は所用で上田に行くことが増えるといい、
いずれ長野や上田で個展を開きたいという。
ぜひ楽しみにしていますと伝えて、その折りは和田龍での
一献を御一緒させていただきたいと、楽しみの出来た夏始めだった。

夏めくや和田龍登水幸村で。


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