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夫、義則の殺人チャーハン

たまにはオランダの生活や教育に関係のない記事を…ということで、2021年年の瀬にあった事件を書きます。

「困ったらチャーハン」の夫、義則

夫、義則はあまり料理が得意ではありません。
回数を重ねてもあまり上達する気配はなく。笑
基本的に我が家は「家事育児は2人でやるもの」と考えているので…というか、夫婦で高校教諭だったので、「2人でやらな誰がやんねん!」という感じでこれまで生活してきました。

家事育児は、誰が何をするというのが決まっている訳ではないにせよ、「何かをやってもらったら、別の家事をやって相殺する」みたいな感じで進めています。義則曰く「うちの育児家事分担は"思いやり制"」だそうです。

ということで、料理が苦手でも料理をしてもらうのが我が家の掟。

メニューのレパートリーが少ない彼の得意料理(というか三種技)は、餃子、チキンの甘辛焼き、チャーハン。で、とにかくこのメニューをひたすらに回すみたいな感じで料理を頑張ってくれています…

余ったお米を誤った方法で

オランダで炊飯器に似たものを手に入れ、お米をほとんど毎日食べていますが、よくあるのが「炊きすぎたお米をどうするか」です。

炊飯器にそのままにしておくと臭いが気になるので、大抵の場合、できるだけタッパーに入れたりして冷凍するか冷蔵庫で保存するか…となるのですが、ある冬の日、彼は余ったお米をある容器に入れて、キッチンの端に約1日放置していたのでした。

日差しの強い、暖かい冬の日

放置されたお米はキッチンカウンターの上にずっとあったようです。
私も特に意識することなく、そこにお米が入った容器が放置されていることを知らず知らずそのままにしていたのでした。

しかし、問題はこの日の気温と日差し。
お米には日差しが照りつけ、部屋も暖かかったのです。

義則、冷や飯でチャーハンを作る

嫌な予感しかしませんか?
はい、わかります。笑

そしてその日の昼、義則はそのお米を使ってチャーハンを作りました。
毎回、お世辞にも美味しいと言えないチャーハンなのですが(笑)、いつも料理が苦手ながらも頑張って作るので、娘と美味しくいただくようにしています。←
その日も義則が作ったチャーハンを娘と(美味しく)いただいたのでした。

菜央、マーケットへ出かける

その日は土曜日で、昼食のチャーハンを食べたあと私はマーケットへと出かけました。いつも結構な量を買い込むので、手押し車(?)を引き、1人トラムに乗って、「いってきまーす!」と元気よくマーケットへと向かったのでした。

買い物終盤で異変が起こる

買い物も終盤に差し掛かったところ、なんだかフラフラしてきました。つけているマスクが息苦しく、だんだん息もあがるようになってきました。
「なんかおかしいな…とりあえず早く帰ろう」
そう思って駅でトラムを待っていたのですが、立っているのもだんだんしんどい状態に。…というか気持ち悪い。
いずれにせよ、帰宅する方法はトラムしかないので、トラムに乗り込み大人しく座っていました。しかし、どうも気持ち悪く、なんだか吐きそうです。

気を紛らわせるために外を見たり、携帯の動画を見たりするのですが、なんだかそれどころではなくなってきました…もう…吐きそう…

…ただ、時はコロナ時代。(ワンピースみたいに言うな)
「トラム内で嘔吐なんてしてしまったら、どんな混乱になるか…!!」
そう思った私は、とりあえず途中の駅で降りることにしました。

もう無理…だめだ…

何とかトラムの駅で降りて、
「嘔吐するならあそこしかない…」ということで重すぎる手押し車を引き、
トラムの線路をまたぎながら、茂みがあるところまで歩きました。

「あぁ…もう気持ち悪すぎる…」と思ったところでリバース。驚
よく見るとお米ばかり…(汚い話ですみません)
「まさか…チャ…チャーハンじゃねぇ?!?!?!」
と思うも、気持ち悪すぎて動けない時間だけが過ぎていきました…

「あいつ何やってんだ?」の目

しばらくそこに佇んでいたのですが、よく見ると向かい側のトラムの駅にいるおじちゃん2人が私のことをガン見しています。←

「やめてー!!!見ないでー!!!!号泣」

と、心の中で叫びながら、できるだけ目を合わせないように。笑
手押し車を引いて、トラムの線路を渡って、茂みに座り込んだら、確かに「あいつ何やってんだ?」ってなりますよね。←

とりあえず、気持ち悪さのピークは過ぎたものの、まだフラフラ…
しかし、もう横になりたい勢いなので、とりあえず家までは帰らなければ…

何本かトラムを見送った後、またトラムに乗り直して家へ向かいました。

もう無理…迎えに来て…

WhatsAppで義則に、
「気持ち悪い、途中で吐いた。駅まで迎えに来て」
とメッセージを送り、トラムの時刻表を送信。

幸い、うちは最寄り駅から徒歩30秒ほどなので、義則に手押し車を持ってもらい、前屈みになりながら家へと帰宅したのでした。しかし、家に帰ると安心したのか、またすぐに吐き気が…。
それからしばらくトイレに閉じこもり、最終的には胃薬を飲んで、しばらくベッドで横になることにしました…

…はっ!!義則と娘にもくるんじゃ?!

朦朧とした意識の中で思ったのは、
「はっ!!娘にもこれがくるのでは?!義則にも!?」
ということ。

そして案の定、夜になって娘がバタンキュー。
私と同じ症状になり、見事、豪快にリバースしたのでした…

しかし、一方ですごぶる元気な義則。
私たちの看病をテキパキとこなしてくれていますが、

「え、あなたは?どういうこと?強靭な胃袋ってこと?」

 ……………

「…あ、今日俺、あのチャーハン食べてないわ…」

うそやろ。マジか、あんた。
何してくれてんねん。爆
自分食べてないってどういうことやねん!爆
君が無事….いや、喜んで良いのかどうかわからんわ!!!爆

「ごめんな、俺のせいで…」

とにかくグロッキーな私と娘。もうめちゃくちゃしんどい。
その傍らで、眉毛を下げて申し訳なさそうな義則。
その表情はもうえぇから…しかし、君もこうならなくてよかった…のか…

何にキレたら良いのか、これは不幸中の幸いというのか、
っていうかとにかく気持ち悪いんですけど、ほんま何とかしてくれ…

ということで、グロッキーな夜は過ぎ、翌日には2人とも回復したのでした。

犯人は「セレウス菌」

ということで、今回の犯人は「セレウス菌」…食中毒でした。
調べてみると、この菌は熱を入れても死なないらしく。(こわ)

このセレウス菌をまとったチャーハンは、「殺人チャーハン」と呼ばれるとのこと。笑
いや、本当に殺人レベル。爆

ということで、半日ほど潜伏するらしいこの菌は、ネット情報通り半日私たちの身体に潜伏し、何事もなかったのように去っていったのでした…

みなさんもお米の保存方法にはくれぐれもお気をつけください…
そして、料理が苦手な人は(食べ物の保存方法も含め)殺人チャーハンを作る可能性があります…







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