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オランダ語の先生=小学校の先生=先生の副業

年末からずっと習っているオランダ語。
以前、こんな記事も書きました。

英語を話すことに慣れてしまっている私の脳に対して、とりあえず"英語"が出てくるという"反射"のようなものを押さえ込むのに必死です。笑

もちろん、オランダ語の先生にはオランダ語で果敢に挑戦するんですが…

語学学校に勤める、小学校の先生に習っています

オランダでは教員の副業が認められています。
これまで私が出会った先生の中にも「先生をしながら、別の会社を経営していてね」と、教育系の会社を経営しているような先生に何人も出会ってきました。先生たちの副業としては、やはり教育系が多いような気はしています。

私のオランダ語の先生も例外ではなく、モンテッソーリ系の小学校に勤務しているそうです。彼女の「教え方」は、私が理解するモンテッソーリの「教え方」とは程遠いですが。笑

モンテッソーリに限らず、オランダの教育ってこんなもんだよな。と思っています。学校によるし、何なら教師による。そんな感じのものです。

週3日は小学校勤務、週2日は語学学校勤務

そんな彼女の働き方は、週3日が小学校。週2日は語学学校。とのこと。
先週の授業で「実は今、コロナに感染しているの」と言っていた彼女は、(感染により)小学校には勤務できない状態ですが、授業はできるくらいの体調!とのことで、その日もオンラインの授業を1時間半やってくれました。

彼女の勤務形態を聞いても誰も驚かず、「そうなんだ〜」という感じ。
何なら、クラスには彼女の教え子のママがいるくらい。笑

そのママの子どもが画面に映ると「おーい!元気か〜い!」と声をかけています。

自分の働き方のメリットは自分で見出す

「私はこの働き方が好き、他の人はどうか知らないけど」

あっさりそう言いのけてしまう人が多いこの社会。
ある記事によると、オランダの教員不足は現在パートタイムで働いている教員がフルタイム(36時間以上)に戻れば解消できるとか。

正確な数字は見つけられませんでしたが、校長先生の話によると「フルタイムの教員を見つけるのは至難の業」とのことでした。
それくらい、フルタイム教員が少ないということなのでしょう。娘の学校のほとんどのクラスも複数担任制です。

オランダは教員不足に悩まされていますが、そんな教員不足を抱えた状態でも「フルタイムに戻ります」という教員は意外と少ないそうで、どちらかというと「1ヶ所に所属していること」をメリットと捉えている人は少ないのかもしれません。むしろ人生的にはデメリットと捉えている人も。

自分の働き方のメリットは自分で見出す!
それがこの国の労働観なのかなと思ったりします。

政府は教員の待遇を良くしようと必死

日本では、公教育における教員の待遇は良くなっているでしょうか?大阪府に勤めていた時は、額面上を上がったように見せて、実はベースが下げられているというカラクリを見せつけられた記憶があります。笑

オランダ政府は、今あれこれと手を尽くして教員の待遇を良くしようと頑張っているとのこと。また、企業勤めの身から教員になる教員養成課程を積極的に進めたりして、何とか学校に人を!と邁進しているようです。具体的には初等教育教員と中等教育前期教員の給与水準を同じにしたり、給与ベースを上げたり、教育困難地域に勤める教員の給与を上乗せしたり…と、頑張っています。

今はコロナで教職員もストライキを決行していませんが、コロナが明けたらきっとまた「黙ってないぞ!!」と、ストライキをするに違いないと思っています。

「本業に専念しろ!」の言葉もないかも?

教員のパートタイマーが特に小学校で多いなど、日本ではあまり考えられないかもしれませんが、オランダではある意味「本業に専念しろ!」という言葉さえないのかもしれません。

「そもそも本業って何よ?」

と、2ヶ所、3ヶ所で働いている人からすると自分は複数箇所に所属する人間。旅とは違えど、ふらふら〜と色んなところに所属することで自分のバランスをとっている場合もあります。

また、複数箇所に所属することで、そのアイデアや発想が別の場所で活かされるというメリットもあるのかもしれません。

実際に、会社経営をしている中学校教員のパートタイマーの先生は、自分の会社で得た知識を教育現場にも還元し、その逆も然り。と言っていました。(必ずしもこのケースには当てはまらないと思いますが)

私のオランダ語の先生も、小学校で教えていることが大人にも通じると感じることもあれば、大人に語学を教えることで子どもたちの中にある言語習得の難しさへの理解が進むこともあると言っていました。

緩さの中にどうプロフェッションを見出していくか

個人的には今後、オランダの政府が教育が状況をどうやって好転させていくのかにとても興味があります。基本的に「教員不足」は世界中で起きている問題で「先生が余りすぎてて困ってるんですよ〜」という国はほとんど聞きません。どこも教員の取り合いです。

教員の待遇が抜本的に解決されない限り、つまり、仕事量と給与が釣り合っていると社会が判断しない限り、個人的には教員の副業はもっと加速すると思っているのですが、抜本的解決が先なのか、それともパートタイマーの増加が先なのか。ある記事によると、教員不足はこの先もっと深刻化すると書かれていましたが、果たして本当にそうなるのか。

パートタイマーという働き方を選び、副業が加速した時、そこに教員というプロフェッションをどのように見出し維持していくのか。これからのオランダの動向が気になる次第です!





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三島菜央<🇳🇱オランダ在住/元高等学校教諭>
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