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2/18 麹町中学校視察①

今回の一時帰国で1番楽しみにしていたのは、麹町中学校の学校視察に参加することでした。(日本食を食べまくる以外に)

麹町中学校と工藤勇一先生の存在については、オランダにいた頃に「カンブリア宮殿」という番組を観たこと、そして工藤先生の本を読ませていただいたことで知りました。

「この人だ!!!」と直感的に感じ。
すぐにオランダから手紙を書きました。直筆でA4、3枚のラブレターです。笑

これまで私が教育現場で感じてきたこと
教師を辞めてオランダに移住したこと
そして最後に「一時帰国の際に会いたい」ということ。

もし私に興味を示していただけるなら、連絡をください。
と、私のメールアドレスを書きました。

麹町中学校のHPを見てみると、
「取材等のお約束はお断りすることも多いです」
との文字が...

メディアの取材依頼も多く、工藤先生自身も公立中学校の校長として公務が忙しく...というようなことが学校のHPに書かれていたのでした。

どのこ馬の骨かわからない私に割く時間などないだろうなぁ。
そもそも、校長としての仕事も大変だろうし...と思っていると。

しばらくして、なんと工藤先生からメールがきたのです!!!

「お手紙ありがとうございました」から始まり、一時国の際に是非会いましょう。という内容でした。
天にも舞い上がる気持ちになったことを今でも覚えています。

なんと!私と会ってくれるとのこと!

最初はスケジューリングをして一対一でお会いする約束だったのですが、麹町中学校のことをよく知ってもらうには、まず学校視察に来てもらうのが一番良いと思います。それから後日、個別で話をしましょうか。

と、申し込み制の学校視察会に特別にご招待いただきました。

しかし、この麹町中学校。
学校視察会だけではなく、学校説明会も申し込み制、且つ抽選だそうで...
twitterを見ていると、
「麹町中学校の学校説明会抽選外れた〜!」
というようなツイートもしばしば。

公立の中学校でここまで知名度が高い学校は非常に珍しいのではないでしょうか。一時帰国のタイミングとはいえ、工藤先生から直々にご招待いただけたことを心から嬉しく思いました。

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そして、視察会当日、あまりよく知らない東京の街を歩き、麹町中学校に到着したのでした。

千代田区という特別な区にある麹町中学校の近くには、皇居や国会議事堂がありました。そして、門前には多くの教育関係者やメディアの方々がいらっしゃいました。

校舎内に入るとマスクの着用を求められ、名簿で名前を確認後、大きなホールへと誘導されました。
時間になり工藤校長が壇上で話を始められました。

この日のスケジュールは;

・授業見学(校内を自由に歩き回り、授業を見学するスタイル)
・ホールに戻り、工藤校長のプレゼン
・質疑応答

というようなスケジュールでした。

すでに仙台?のテレビ局がある教室で撮影を行なっていたりしましたが、どの教室も開放的で「ご自由にどうぞ〜」というセッティングでした。

教室内にはよくある風景が広がっていました。
ワイワイガヤガヤと生徒たちが授業を受けています。時には寝ている生徒も。本当によくある授業中の風景だと感じました。
また、髪の毛がピンクの生徒がいたりしました。
しかし、ほとんどの生徒は制服を着こなし、ごくごく一般的な服装の生徒だと感じました。
(麹町中学校には校則がありません)

ただ、壁の掲示物や大きな多目的室のようなところで行われている授業は、麹町中学校らしさが出ていたと思います。

麹町中学校では定期考査を廃止し、小テストや単元テストを何度でも受けられる方式をとっているそうです。
点数が上がれば、上がった方の点数が採用される。という、オランダでもお馴染みの、いわゆる「やり直しのきく教育」を推進されています。

生徒は今の自分に必要なものを、自分で考え、自分から受けにいく。
これは、ドルトン教育やモンテッソーリ教育でも同じようなことが言えます。

この配慮、定期考査のように考査範囲が広くなりすぎないため、生徒にとってはストレスが少ないとのこと。

よって、壁には今回の単元テストの範囲...というような教科ごとの掲示物が目立っていたように思います。スケジューリング能力もつきそうです。

また、多目的室的な場所では、生徒たちがグループに分かれて、クラスメイト同士で教え合う。ということを盛んに行なっていました。

教室から離れ、すきなかたちでぐグループを形成できる場所で学びを進める。もちろん1人で学習したい生徒の権利も認められます。

そういった風景を見ながら、オランダではごくごく"当たり前"であることが日本で実践されていることに大きな感動を覚えました。

何故なら、こういった教育を実践するのに、日本では大きな壁がいくつも立ちはだかることを安易に想像できたからです。
学校の様子を見ながら、私が頭の中でずっと考えていたのは、

「この教育をどうやって教職員全体で行なっているのか」

ということでした。

つまり、工藤先生がどのようにしてリーダーシップを発揮し、教職員と対話し、学校での"当たり前"を変化させ、しかし、高校入試への学力的な対応や、成績などの現実的な問題を乗り越えてきたのか。
また、保護者への説明をどのようにしてきたのか。

ということが、ずっと頭から離れないのでした。

あっという間に授業見学の時間が過ぎ、ホールへ戻る時間がきました。

ここから工藤先生のプレゼンです。



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三島菜央<🇳🇱オランダ在住/元高等学校教諭>
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