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日本最強の釣り士、本波幸一
1月が終わった。
今月は忙しかった。メインの担当案件2つで既に稼働率100%なのだが、上層部からのお願いもあり2つ追加で対応していた。稼働率120%ともなれば休憩する暇もなく様々な依頼が舞い込んでくる。そんな感じで来た依頼を左から右に流す感じで対応をしていたらあっという間に1ヶ月が過ぎた。
最近よく聞いているゲシュタルト乙女「仕事」という曲でも仕事という行為を左から右いう言葉で表現していたのが印象的だった。
昨日は日付が変わる直前までデザイン作業をしていたが、なんとか形になったので、土曜の午後、読書をしたり釣り動画を見ながら、合間で近況を書いている。
20年くらい前に発売されたギジーという本流トラウト向け雑誌を見返してたら引き込まれた記事がある。
それは日本最強の釣り士と言われる、本波幸一さんの記事だ。
本波さんを知ったのはこの雑誌がきっかけ。
自身のことを侍になぞらえて「釣り士」と呼んでいて、周りからは「日本最強の釣り士」なんて言われている。
本波さんは、2004年の春、25年勤めた会社を辞めたらしい。もちろん釣りのためだ。
サラリーマンを続けながら、中途半端に釣りを続けることはできなかった。サラリーマンを続けるなら、いっそ釣りを止めてしまうしかないと思った。
私も一度は考えたことがあるが、様々な葛藤があり実行に移すことはできない。さらにこんな記事が続く。
サラリーマンをしていれば、その一番のタイミングで釣りができない。魚釣りは人間の都合ではなくて、魚の都合に合わせるのが基本中の基本。だから会社を辞めたのさ。
これほど共感できた言葉はない。サラリーマンなんてやってなければ春の釣り日和に釣りに行けたのに… 増水が落ち着いた今がベストタイミングなのに…さまざまな思いが浮かんでは消え、現実に向き合う日々。
ただサラリーマンだけがボトルネックではないらしい。
自分自身が釣り士として成し遂げたいこと、それができるのは今しかないと思ったんだよね。あと10年も経てば体力的にも厳しくなるからさ。体力、気力が一番充実しているときに、思う存分自身の求める釣りがしたかったのさ。
この記事の本波さんは恐らく40代。今の私と同年代だ。私もあと10年もしたら気力、体力も落ちてルアーフィッシングを辞め、体力を消耗しないヘラや小物釣りにシフトしているかもしれない。釣りは一生できる遊びではあるが、その時にしかできない釣りがあるのだ。
さらに読み進めていくと興味深い内容が続く。
深夜の午前2時に起床し、夜が明けるまで釣り座で待ち、日の出と共にキャスト開始、そこから夕方の午後4時前後まで、休憩はおにぎりを2つ食べ、朝と昼の短い時間、それと小用を足す時ぐらいである。約12時間、まさに「1本の杭」となり釣り座に立ち、黙々とルアーを投げ続ける。
釣りのために安定した生活を捨てただけでもすごいけど、こういったストイックさが「日本最強の釣り士」なんて呼ばれる由縁なのだろう。
のんびりまったり釣りしてる自分からしたら何もかもがすごすぎる。
いま尊敬しているアングラーは?と聞かれたら迷わず本波さんと答えるだろう。
最後に本波さんの貴重なドキュメンタリー映像と、その中の印象的な言葉で締めたいと思う。本波さんの言葉は、一言一句、響くものがある。ラジオ代わりに聴くのもオススメ。
釣れなくても来たいの。病気だから。その病気を治すための処方箋がここにある。