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演出(えんしゅつ)て何?美味しいの?③


GWスペサル。
「人間性」

演出家はなぜ怒るか?


NHKのスペシャルで

宮崎駿さんや、高畑勲さんが異常な暴君で
庵野秀明さんが物凄い現場の支配者であるのは皆さんみた事あるかもしれません。

みた事ない方はNHKアーカイブでぜひ。

黒澤明さんが

「映画の制作に民主主義はない」

と言っています。

映画は監督が全てです。

名前を残すのも失敗も全部監督です。

特に黒澤明さん、宮崎駿さん、庵野秀明さんは自社の会社で

「資金調達」する経営者でもあるわけですから。


実質プロデユーサー(お金を調達するリーダー)でもあるわけです。

また漫画家の永井豪さんも
「アシスタントは作家の感性に合わせる仕事であって
自分のやり方を押し付けるのはアシスタントではない」と
過去のTVインタビューでおっしゃっています。

映画やアニメ、漫画、舞台は

ほぼ作り手の持出し(自分の資金)によって製作されています。

例えば、原稿料が2ヶ月後とか3ヶ月後の場合
その期間中漫画家は個人の資金で漫画を製作するわけです。

それも10話で終わると言われているなら
持出分で貯金を使われてしまうだけの世界です。
3ヶ月間遅れて給料入るじゃん?て思いますか?

次の仕事のための資金ですよ?

そこに自分の意見を言ってくる
懐を痛めない会社員がいます。
自分の金は傷つかない
彼らが用意するのは会社の金です。

勿論、その資金の横移動がないと
漫画もアニメも映画は特に制作できないです。


ですから演出家や漫画家たちは

資金を獲得するためにいう事を聞くのです。
ほぼそれが90%以上の理由です。

逆にいうと金を出す気のない人の話は聞きません。


「準備期間中は自分達の貯金の目減りの分の仕事でしても良い人としか仕事はできない」


のです。
そうすると人間関係が難しくなります。

その防衛策が不動産だったりします。


庵野秀明さんのカラーは不動産を所有し、毎月家賃収入を得て製作費や
お金が発生しない準備期間を耐える構造を構築しています。

漫画家で有名なのは

「本宮ひろ志」さんで
会社は不動産管理会社です。アパート、ビルを所有し
本宮プロ出身の有名漫画家も含む版権を管理しています。

金には困らない状況にしないと
自分の意に沿わないことをやらされるからです。

僕も近い話でありました。

「トー横キッズに優しいヒロイン」
トー横キッズは貧困の末不良化している若年ホームレスです。

そのほとんどは売春と(警察調べで90%がホスト狂いの未成年)
オーバードーズ目的、セックス目的の不良で

家に居場所がない可哀想な子達というドラマではないのです。

日本中にいるだろう家に居場所がない可哀想な子たちが
逃げる場所がトー横や大阪のグリコ下であるわけがないのです。


ドロップしていてもまともな子は

働きに出るのです。

ドロップしていてもまともな子は
頼れる人を選びます。

自分の意思で売春するのと

親に売られて売春するのでは意味が違うのです。

と言うわけで
その気持ち悪い脚本は僕にとっては

「バナナの皮に滑ったを面白くしてください」案件なのでお断りしました。

演出家、監督は
自分の意に沿わないものは許しません。
民主主義はないからです。

心の中の民主主義です。

心の中は自由で良いんです。殺人者でも、変態でも差別主義者でも。

内心の自由です。

そしてそれが外で表現されるものが

「作品」です。

例えばですが、体はマッチョで
性自認が女性の人がどんな作品描くか?とか
興味ありませんか?

作品はその人の頭の中
中身が出ます。隠すことは難しいです。

特にプロ同士の前では「裸も同然」
嘘をついていることも、事実も、何を書きたがっているかも
透けて見えます。


特に達人級達には一流か二流かも瞬時に見抜かれます。

技巧や本音かも。

作品を通して作り手の何が見えるか?

  • 政治的思想

  • 性嗜好

  • 知性レベル

  • 精神異常

  • コンプレックス

  • 影響された作家

簡単に言うと本人が見えてしまうのです。
恥ずかしくて普通の人ではできない。

でも作家達は「裸になる」事を仕事にしているので
みんな

ふりちんです。

ふりちんじゃないと売れないからです。
作家はみんなふりちんです。覚えておいてください。

女性の場合は
裸で近所を走り回ってる狂女です。


作家はみんなそうなのでもう痛くも痒くもないので

ここまでだったらまだ普通のことなんですが、、、、
映像演出家の頭の中は更に

演出の組み合わせ。
「どうやったら面白くなるかの演算」が

演出とは何?①、②で展開されます。

現在、公開前の映画「首」の映画監督 北野武監督がこう言っています。

映画は「数学」「絵の組み合わせ」


と初期から言っています。

だから北野組は役者は演技しなくていいのです。


北野監督が
自分の欲しい絵を使うからです。


同じ事をスターウォーズのジョージルーカスも言ってます。

「役者は素材です。」


タランティーノも役者がどんなに怖がっていても
それをやらせます。
その怖がっている顔の絵が欲しいからです。
それでユマ・サーマンに告発されてしまいました。(ワインスタインとの問題もあり)
キルビルの撮影10年以上経ってからです。
METOO運動で槍玉に上がってしまいました。


ユマの元旦那イーサン・ホークからタランティーノはお叱りを当時から受けていたそうです。
イーサン・ホークは優秀な役者で常識人ですが

彼がスーパーメジャーじゃない点でもあると思います。良識的な人物であるということが。

「人間性」というのは作品の弱点でもあると僕は思っています。

トイストーリーのジョン・ラセターもセクハラでピクサーを更迭されました。
ヒッチコックも死後過去セクハラされたと90歳近い女優から告発されました。

でも

すけべだから女優が美しく撮れたのだし
変態だから「サイコ」や「サスペンス」が撮れたのです。

ジョン・ラセターの女性の扱いの下手さは
「カーズ」や「トイストーリー」から見えるじゃないですか?

彼は少年です。だからといってセクハラしていいと言ってるわけじゃなく

クリエイターは人間性に問題がある。
未成長や障害がある人の方がブレーキが効いていなくて
優位の場合があるのです。
普通なら死ぬスピードの高速でコーナーを回れます。


逆に
「カールじいさんの空飛ぶ家」のピート・ドクターは
女性に寄り添う演出が多い監督です。
冒頭だけで泣けます。
絵コンテも公式が無料で上げてくれていますので
ここで一つ
息抜きで映像演出の粋を見てください。
セリフひとつなく、、、、全てを語ってしまいます。

凄腕!!とはこういうこと


https://www.youtube.com/watch?v=XoyZmu0IOKc&t=262s

ピートの
「インサイドヘッド」は少女の心の中を
知名度は低いですが
超傑作「ソウルフルワールド」はスーパースゴイ映画です。
亡くなった少女の心の中を。
彼のやりたい世界は深い。


庵野秀明さんの「シン・エヴァ」の密着ドキュメントで
庵野さんがスタッフが作り出してきた映像を編集している作業がとられています。

NHKの女性インタビュアーが
「自分では作らないで、選ぶだけなんですね?」と言った瞬間
庵野秀明さんがブチ切れます。

編集室に連れて行って「じゃ選んでよ。」と
映像の候補を素人に選ばせようとします。

「映画演出のほとんどは構図と編集で決まるんです。」

素人さんに

映画の「モンタージュ理論」をぶつけてしまう庵野秀明氏。

事実
黒澤明、宮崎駿
北野武も、庵野秀明もタランティーノもジョージルーカスも

欲しい絵を編集(繋ぎ合わせて)して映画にしているのです。

演出①、②で僕が書いた
漫画家がしている技術を
大規模予算と人数でやっているのが

アニメ監督と映画監督です。

更に資金調達まで自前だと、、、、

彼らに口出すことは殆ど逆鱗に触れる事になります。
頭の中は

複雑な映像理論で映像の組み合わせが演算中です。

お金の問題がなくても

欲しい絵の繋ぎが上手くいかないと
面白さが発生しないことも熟知しているから苛つきます。
「バナナの皮が滑った」でさえ面白く撮る事は可能な才能達が

「自分を面白がらせて、お客さんも面白がらせる」

に集中しているので

アクション監督が持ってきたアクション案が自分のイメージ構想と違えば

いらない

になってしまうのです。

「そうじゃない!!」

宮崎駿さんが右腕アニメーターを怒鳴りつけるシーンがあります。
そのアニメーターさんは一流です。

宮崎さんの欲しいイメージと違うのです。
ここが問題点なのですが

映像作家は「言語」が逆に拙いです。

頭の中は複雑な映像分岐が出来て
あらゆるバージョンの映像が浮かんでいますが
人に説明することができないのです

なぜなら

彼らの頭の中はこんな感じ
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