今年は絶好調!?アイントホーフェンの地元サッカークラブPSV
サッカーファンの間ではよく知られているが、私の住むオランダのアイントホーフェン市には、「PSV」というサッカークラブがある。もともとオランダの有名企業であるフィリップスが従業員のためのスポーツクラブとして立ち上げたもので、PSVは「Philips Sport Vereniging(フィリップススポーツ協会)」という色気のない名称の頭文字を取ったものである。
もちろん、地元民には熱狂的なPSVファンが多い。試合があった翌日には、仕事のミーティングなどもまずはPSVの試合結果が話題になることもしばしばだ。
2017年に国内リーグで優勝を果たした時は、街中が大フィーバーになった。市役所前の広場に舞台が設置され、優勝記念パーティが開かれた。近所だったので子供たちを連れて見に行ったのだが、あまりの人の多さに身動きが取れなくなり往生したこともある。東洋人のチビ3人が大型オランダ人ファンたちの狭間にスタックした状態……周りでガラの悪い人たちがバンバン花火を上げるし、あの時はちょっと怖かったなあ。
あれからずっとPSVの成績は芳しくなかったのだが、今年はちょっといい感じで、国内1部リーグでは今のところ負け知らず。アムステルダムの強豪アヤックスの調子がめちゃめちゃ悪いし、今年はPSV優勝のチャンスなのだ!チャンピオンズリーグにも35年ぶりに出場している(しかし、ヨーロッパ全体の中ではPSVのレベルはまだ低く、今のところビリ…)。
おはよう、ルーク・デヨング!
ある日曜日の早朝、私がジョギングをしていると、向こうからなんか見たことのある人が走ってくる。「誰だっけ?仕事で会った人だっけ?市役所の人だっけ?」と、答えが出ないままにすれ違いざま「ハイ!」というと、「フユモルゲン(おはようございます)」と返ってきた。
すれ違った後になって、急に気づいた。
ルーク・デヨングだ!
デヨング選手といえば、PSVの顔。2014~19年までPSVに在籍した後はスペインのクラブにいたが、昨年からまたPSVに戻ってきている。33歳。フォワード。ここぞという時に必ず点を入れ、チームの士気を高める素晴らしいキャプテンだ。
背が高くて目立ちそうではあるのだが、サッカー選手にしては生真面目な風貌だし、その時は無精ひげなんかも生えていて、さらに普通のおじさんっぽかったので、デヨング選手だと気付くまでに時間がかかってしまった。この日はデヨングだけでなく、普段は奥庭にいて見られない近所のクジャクも偶然見ることができた。「だからどうした」ということなんだが、なんか超ラッキー!1日中幸せな気分で過ごすことができた。
デヨング選手にはその辺で会ったという人が何人もいるので、もしかしたら近所に住んでる?!でも、付近にサッカー選手たちが泊まるホテルがあるので、遠征前にそこに泊っていたのかもしれない。
アイントホーフェンは人口20数万人の小さな街なので、PSV選手に出くわすこともよくある。日本人の友人は、2019年年当時PSVで活躍していた堂安律選手とばったり街で出会った。私の息子も近所でチャービー(シャビ)・シモンズ(2022年当時はPSVにいた)や若手のイザク・ババーディと出くわして、一緒に写真を撮ったりもしている。私が気付かないだけで、きっと街ですれ違っていることも多いのだろう。
頑張れ、バカヨーコ!
PSVのサッカー選手で、日本人としてどうしても気になってしまうのは、ヨハン・バカヨーコ選手だ。日本語では「バカヨコ」と表記されているようだが、正しい発音はどちらかというと「バカヨーコ」だ。
ベルギー人。20歳。フォワード。ときどき彼がミスをすると、デヨング選手に「バッカ!」と言われたりしている。どうやらあだ名は「バカ」らしい。
日本人のヨーコさんが、彼と結婚して同姓にした場合、ヨーコ・バカヨーコになってしまう。私がヨーコだったら、バカヨーコという苗字の男性とは付き合わないかもしれないなあ。というか、ナオコ・バカヨーコでも嫌かも…。
しかし、バカヨーコという苗字は、どうやらフランス語圏ではさほど珍しい名字ではないらしい。検索してみたら、サッカー選手だけでもバカヨーコは何人か見つかった。日本で言えば、「上田」とか「藤田」とかいったところだろうか。
サッカーを見ながら、こんなくだらないことばかり考えているが、今年はPSVにぜひ優勝してもらいたい。