コンダクトリスクから考える保険営業の今後
コンプライアンスリスクについて界隈で言及されることが多くなってきました。その発端が今週発令されたマニュライフ生命への業務改善命令です。
節税目的に加入することを強くプッシュしたというないようですが、税制のメリットを強調した販売手法については業界ないので広く認知されていたわけであって、今更感もあるなかの今回の裏側に何があるのか、はどなたか業界の偉い他の方に語っていただくとして
コンプライアンスという観点からコンダクトリスクへの踏み込みがもうすでに始まっているように思います。
ちなみに金融庁も激怒の模様でして、タレコミを要求されております。
コンダクトリスク?なにそれ美味しいの??という話ですが
PWCからの説明がわかりやすく
一般には金融機関によって「顧客保護」、「市場の健全性」、「有効な競争」に対し、ネガティブな影響を及ぼす行為が行われるリスクを指します。
高齢者などへの適合性に欠ける商品販売や、租税回避とみなされかねないサービスの提供などが典型的なコンダクトリスクの例として挙げられます。事案の発生時には、明確な法令違反には該当しなかったものの、顧客および市場への悪影響から事後に厳しく社会的批判がなされるケースも頻発しており、多くの金融機関が対応に頭を悩ませています。
先般から言われている公的保険の説明やFD、そしてプリンシプルベースの業務運営なども全て必要最低限ではなく、さらなる自己発展をやれ、という流れの主流にコンダクトリスク管理をしっかりやりなさい、さもないと…というメッセージが見て取れます。
現在、逓増の他にもさまざまな懸案事項が発生している模様で、苦情件数も増えているようですし
会社として望ましい行動(DO)と望ましくない行動(DON'T)の整理を具体的に行なっていく必要があろう、というのが現実的に経営サイドがやっていくことでしょう。
・情報提供義務は行ったか
・顧客の意向はきちんと聞いたか
・それに基づいて最適な解決策、商品を提供できたか
・定期的なフォローアップ(保全/アフターフォロー)は何をどのように行ったか
などがきちんとKPIとして公表しなさいということになるでしょう。
生命保険協会でいうと代理店業務品質評価運営というプロジェクトが立ち上がっていますし(一方で年間のチェック数が微々たるものでとてもでないけど現状の仕組みでは全件対応できない)損害保険協会はまだまだ意向把握や情報提供義務が十分できているとはいえない現状です。
PWCではティールな組織を標榜してますが、もともと自立心の高い保険業界はティールのような存在でしたし、しかし一部の逸脱した方々によってコンダクトリスクがかなり高まってしまい、結果として多くの事件が起きている現状もあろうかと思います。
保険会社や保険代理店だけではなく、募集人の評価サイトなどが公式のものでできるととてもいいなと思っています。
海外では協会にあたるFINRAが
会社および所属員の経歴なども全公開していますし、こういった流れになるだろうなと思っておりますので、今回のマニュライフ生命の業務改善命令を他山の石とすべく、一層のガバナンスの強化に各自が各自が努めていくことが重要だなと考えております。
一部では某情報商材化している”次のラストフロンティアはここだ!”みたいなチームによるセミナーが始まりそうとの予感がしていますが、くれぐれもコンダクトリスクには気をつけていただきたいと切に願っております。
保険の本来の機能である保障と補償に原点回帰だ!という声が今回もただの掛け声に終わらないようにしないと、そもそもが終わりそうなので若手でも壮年でも最長老の方でも志ある、高みを目指したい方々は是非とも業界発展のために引き続き頑張ってまいりましょう。
きちんとした人は残る、という当たり前が達成できた時に最高の評価が出てくると信じております。
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