損保ジャパン社のBM社における社外調査委員会による調査報告から学ぶ、これから保険の流通に関わる方がしっかりと認識しておきたい1つのこと(私見)
おはようございます。業界人としてはお笑い芸能ネタよりも各社の報告書を目にする方が多い日常を送っております。
さて、保険会社各社から調査報告書などが出てきていますが、昨日1/16に
損保ジャパン様が出したレポートがこちら。
保険の販売や募集と保全や請求というお客様の最もフロントに近いところでお仕事をさせていただいている立場上、非常に危機感を持ちながら本件を注視しております。
主に経営判断の間違いと内部の実行の間違い、親会社との関係について言及がされています。
その中でも、"販売/募集と営業協力から発する不正の結びつき"と"発覚してからの対応の不味さ"が語られています。
背景にある原因として
1.人的要因
(1) 社会的使命の自覚が乏しい
(2) 企業の都合>真の顧客利益
(3)リスク認識と危機対応の前提としての想像力の欠如
(4)経営と現場の著しい乖離
(5)役職員の主体性の乏しさ(縦割り、他責)
2.制度的要因
(1)内部統制システムの不備およびコンプライアンス体制の機能不全
(2)営業部門>保サ部門による適正運用×
(3)背景事情(トップライン、マーケットシェア偏重、整備工場の兼業代理店化、生産性向上の歪み
(4)親会社と子会社のグループガバナンス
があげられています。
再発防止策としては
1.社会的使命の再確認
2.顧客視点での業務遂行の徹底(顧客視点での価値判断の徹底とマーケットシェア、トップライン偏重の企業風土の改善)
3.内部統制上の問題の改善(リスク情報感度の向上、アセス実施、リスクネガティブへの対応、個々の通報、相談強化、法コン、コンプラ体制明確化)
4.ガバナンスの改善(外部の視点)
5.保サ部門の適正化
6.グループガバナンスの向上
とありました。以上を拝見しての私見としては
これから保険の流通に関わる方がしっかりと認識しておきたい1つのこと、それは"不都合なことはいつまでも隠せない"ということです。
色々なところの透明度が上がっています。内部でも顧客が聞いたらどう思われるか、という視点を常に意識した上で常に自らの思考と行動を自問自答し、しっかりと胸を張ってできるよう常に改善していかなければならない、ある意味当たり前のことを当たり前に言い続けられるようにあらなければどんなに歴や量を積み上げても一瞬で信頼と価値が崩れるということでしょう。
しっかりと顧客と対峙できる、誠実に仕事を積み上げられるプロフェッショナルな募集人や、それを一体として支援し続けるより質の高い保険会社、代理店がますます求められるでしょう。
今まではこのレベルでこれはやりすぎじゃない?という人もいらっしゃるかもしれませんが、規制が緩和されることはあれど、体制/態勢を緩和されることはないでしょう。
そんなより厳しくなるであろう業界にも、先日開催しましたこちらのセミナーは実に数百人の方がいらっしゃり、業界全体としてしっかり実務の中で法令対応を行っていこうとされている姿勢のある方々が多く、いい意味でも業界がアップデートされていってる感があります。
https://hkn.jp/20240115_overview-of-the-new-law_seminar/
損保各社の株価は改善される期待もあってか事件があった後も高値圏で推移しています。
業界として全体より質の高いサービスを提供でいるように皆で切磋琢磨できるよう日々頑張っていきたいです。
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