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短編小説「そいつは、不思議の国から、鯖の味噌煮缶を」投稿と、亀に関する昔話についてのエッセイ
先週、今昔物語集についてちょっと書きました。ほぼ蕪の話。というか、ほぼ「蕪の話って変だよ」という話しかしてなかったと思う。ただ、最後の方でちょこっと「釈迦一族の男が竜王の娘と結婚する話」についても書きましたね。いやでもこれも奇妙な話だった。
釈迦族の男性と竜王の娘が恋に落ちて、なんだかんだで結ばれて、それで終わりでいいじゃんとか思うんですが、最後にひとひねりしてあるんです。
竜王の娘は人間に生まれ変わったのですが、ただ彼女が眠っている間は…それを不気味に思った男は…
ふたりが別れるとかじゃないので、ハッピーエンド好きの皆様も安心してほしいのですが、でもその国の住人にとってはあんまりハッピーなエンドじゃねえじゃん!みたいな終わり方です。これ、なんでこんな終わり方になったんだろうな。仏教の教え的にそうしなければならない決まりでもあったのか、人間の生理的な嫌悪感ってどうにもならないよねえって話なのか。
さて、今昔物語集では竜王の一族も、他の動物たちも普通に活躍してます。助けた亀が恩返しする話もあったな。亀が、自分を助けた主人公のところに現れて、「これから洪水が起きますよ」と警告してくれるの。この話は、亀どころか、蛇も狐も恩返ししてくれて、恩返しのパレードみたいで、「良いことをした主人公が最後に救われる」話なので、ほっとします。でも「他の動物は助けた方が良いけれど、人間は恩知らずから助けてはだめよ」というひどいお話でもあります。でもまあ、昔々から、みんな「そうだよねえ、人間は恩知らずだよねえ」と頷きながら千年経っちゃったりしてるんでしょうね。
さて助けた亀に恩返しされる話といえば、浦島太郎。私たちが普通知ってる「乙姫様に会って、なんだかんだで最後におじいちゃんになっちゃう」話とは別に、かなり昔々、室町時代に成立した「御伽草子バージョン」があります。乙姫様じゃなくて、「亀」が美女になって浦島太郎と結ばれちゃうんですよ!これすごいよね。初めて知った時、胸がドキドキしちゃったよ。
そういえば浦島太郎は今流行り(?)の「主人公が異世界に行く」話ですね。転生じゃないけどね。
ということで、最後に私の書いた小説の紹介です。アルファポリスさんに投稿しました。「そいつは、不思議の国から、鯖の味噌煮缶を」という話です。異世界出てきますよ!でもまあ…ふざけたタイトルですよね、ですよねえ…。内容も…変だよなあって思います…。
今回のカバー絵は、小説の中にも出てきますが「お彼岸とかおはぎとかお茶とか」です。