ショートショート「僕は座布団と、秋へ」投稿と、今昔物語集についての短いエッセイ
「えっ、この話はどの方向に進んでいるの?」と思いながら読み、最終的に「えっ、この話はここで終わるの?いいの?それで」というお話ありますよね。
私が今回書いた話も、書いているうちに不思議な方向に行ったなあ、という感じがします。
不思議な方向に行ったきり戻ってこない話で、思い出すのは「今昔物語集」です。
以前、村上春樹さんがエッセイで「今昔物語集」の「蕪の話」をしていたことがあって、私はそのときその「蕪の話」を読んだことがなかったので、「いや村上さんそれ盛ってるでしょ。いくらなんでもその話おかしいって」と、思っていたのですが実際今昔物語読んでみたら本当に村上さんの言っていた通りのお話だったという。
ネット検索すると(今昔物語 蕪とかで)すぐに出てくるのでおそらく有名な話だと思いますが、読んだことのない方に説明すると、簡単に言うと、エロティックな不思議な話です。
よくこんな話思いついたよね?誰がなんのためにこの話を思いついたんだよ本当に、と感心しました。
でもさ、いくら昔々の時代で、今より生殖の仕組みが理解されていなかったとしてもこの「蕪」の話を聞いた人たちの中で10人中半分くらいの人は、
「いや、ないよね?そんなこと」
とこっそり思っていたと思う。
今昔物語集は、私はまだ一部しか読んでいませんが、そんな中でも「待ってなんでそんな展開になるの」というお話がたくさんあります。読んでも全然心が安らがないお話ばかりなのですが、でもこういう「お綺麗ではない場所」って心惹かれるんだよね。
たとえば、綺麗なお店が並ぶメインストリートから裏通りに入る入り口を見つけたら。よくわからないけれど魅惑的な香辛料で怪しげな肉を焼くような匂いが、熱い煙が、そして大声で怒鳴りあって、笑い合っている声が隙間の向こうから聞こえたら。
私はファンタジーな話に心惹かれるので、「釈迦族の人が竜王の娘と結ばれる」話にわりと惹かれます。でもこれも「ええ?」という終わりかたなんだよね。君らそれでいいの?という。個人的には、恋愛に積極的な竜王の娘さんが結構好きですけどね。
さて、最初に書いた通り、私もちょっと不思議な話をアルファポリスさんに投稿してます。よかったら読んでみてください。
noteカバー絵もふわんとした、ちょっとずれた感じになるように描きました。