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「高太郎」林 高太郎さん、4月28日の答。

―昼吞み、夕吞み―

渋谷といっても、住宅街の桜ヶ丘。静かな路地にありながら、夜遅くまで人の絶えない居酒屋「高太郎」。店主の林 高太郎さんは2週間の休業を経て、4月23日に再開。夜の居酒屋から一転して、14時開店の2部制へ。都の要請による営業時間の制約から、昼吞み/夕吞みの新しい形が生まれた。

予約帳の名前を一つずつ消していく

「高太郎」は2011年3月29日に開店して、2020年で9周年を迎えました。27日までコロナの影響はほぼなくて、むしろお祝い週間で2回転目もずっと忙しかったほど。
(小池都知事が週末の外出自粛を強く要請した)27日から、急にキャンセルが出始めたんですけど、新しい予約が入って、結局はいつもの賑わいになっていました。

ありがたいですね。お客さんのほうも、吞んで食べるひとときくらいは不安を忘れたい、そんな感じでした。常連さんが多いので、お店を信頼してくれているのだとも思います。

僕らはその信頼に応えなきゃいけませんから、スタッフの手洗いうがい、消毒、マスクはもちろん、お客さんにも来店後すぐ手洗いをしていただく。入口を開け、扇風機を置いて換気もする。3密を避けながらも、4月4日土曜までは変わらず営業できました。

来週もなんとかいけるかな?と、週明けの6日月曜には魚の仕入れもしたんです。でもその日の夕方には緊急事態宣言が明日あると報道され、翌7日、その通りになりました。

食材も買ってあるし、席も埋まっていたけど、これはもう駄目だ。
飲食店への休業要請はありません
でしたが、感染するのも、させるのも避けるには店を閉めるしかないんじゃないか。
そう考えて、8日からまずは2週間を目安に休業を決めました。様子を見て、また考えようと。

4月7日、予約のお客さん全員に「再開したらご連絡しますので」と謝りながらキャンセルの電話をしました。「がんばれよ」と励ましてもらったり、「せっかく予約が取れたのに」と残念がってくださったり。「じつはキャンセルしづらくて。そちらから言ってくれてありがとう」とお礼を言われる方もいました。

せつないですよね。
日々、お店に来てもらおう、ぜひ来てください、と努力しているのに、予約帳の名前を一つずつ、自分で消していくわけですから。

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