「La Maison du 一升vin」岩倉久恵さん、4月28日の答。
―1軒で3軒ハシゴ構想―
数々の名酒場、レストランを手がけてきた女将にして、日本の食材や日本ワインの女将でもある、岩倉久恵さん。「Buchi(ブチ)」から16年。どんな逆境も乗り越えてきた彼女が、人生で初めて「休業」を選択、そして再開。みんなの女将は、常に誰かを、何かを「助けたい」と思っている人だった。
なんだろうこれ、なんだろう?
浅草ってね、都内でもとりわけ、コロナの影響がすっごく早かったんですよ。(1月に中国・武漢での新型肺炎が話題になり)中国人観光客が多いイメージもあったからなのか、1月後半から2月にかけてまず、日本人が浅草に来なくなった。
私は今、神泉の「カフェ ブリュ」、目黒の「キッチン セロ」、浅草の「ラ メゾン ド 一升vin(イッショウビン)」という3店を経営していますが、当時は定番で浅草にいて、あっという間に街が変わっていく様を目の当たりにしました。
「なんだろうこれ、なんだろう?」って戸惑う間にも、どんどん不穏な空気になって。3月にたくさん入っていた歓送迎会の予約も、100%キャンセル。本当に100%です。
少人数の予約でさえ、1週目が2週目に延期され、2週目が3週目になり、結局キャンセルになり。じゃあ4月に、のはずが状況はますます駄目になって。5月だってどうなるかわかりませんよね?
もうね、終わりが全然見えないんです。
そんななか、世のなかのお店ではテイクアウトが始まった。うちはどうしようか。せっかくなら、やったことないことをしよう!ってことで、「超贅沢な特大広島風お好み焼き」を4月1日から始めてみました。
「浅草開化楼」の蒸し麺と千代幻豚のバラ肉を、お好み焼きにしちゃうっていう遊び心で。おかげさまですごく喜んでいただけたんですけど、でも根本的な解決策にはなりませんよね。
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