「クインディ」塩原弘太さん、5月5日の答。
―複数のチャンネルを持つ―
オーナーソムリエの塩原弘太さんを中心に、シェフの安藤曜磁さん、ソムリエの今田秀樹さんら3トップの、チーム「クインディ」。イタリアンレストランだが食材やワインも売っている。イタリアと日本、クラフトなプロダクト。さまざまなチャンネルをもつ店は、難局に強かった。
レストランがワインの小売もするということ
なぜか2月から、ショップのワインが妙に売れていたんです。
今思えばその頃から外食控えが始まっていて、家飲み需要が高まっていたのですね。3月半ばを過ぎるとさらに、ケース買いがぐんと増えました。
今もワインが好調で、経営を支えてくれています。もちろんレストランで提供するワインの価格と酒屋の小売価格では利益率が違いますけど、でも小売りの販売力があるというのは全然違う。
2年前、2018年3月にオープンした当初、この店の構想には周りの誰もが反対しました。
「34坪なんて無駄に広過ぎる」「家賃を抑えたほうがいい」「飲食店も物販も、なんてどっちつかず」「ソムリエの仕事と物販の仕事は違う」。
もちろん真剣に心配してくださるからこその助言です。
それでも僕は「やってみなきゃわからない」と。で、今回あらためて、この複合的なスタイルにしてよかったと実感しています。
(4月10日に発表された)期限付酒類小売業免許を、今、多くの飲食店が申請していますよね?レストランがワインの小売もするということ、これをきっかけにみんな続ければいいのに、と思うんですよ。
ソムリエが売ってもいいじゃないですか。だってお客さんにしてみれば、好きなソムリエがいるお店にワインを買いに行くって、うれしくないですか?
うちでいえば、ソムリエは僕と今田の2人がいて、僕は日本ワイン、今田はイタリアが得意。お客さんはそれぞれにご指名で来てくれます。好みを知っているソムリエが、自分のために、レストランでチョイスするように選んでくれる。ね、楽しいですよね?
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