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給付金の使いみち④弔い

翌朝。

6時から朝のおつとめがあるのでまたも5時半起床。

布団をたたみ、部屋の復旧作業をしてトイレに行くために廊下に出ると

「さむぅぅぅぅぅぅ!!!」



さすが標高900m。

9月末でも全身の毛穴が閉じるのがわかるくらいひんやりしていました。


昔の人はこんな寒い中修行してたの…と震えながら支度をし、

昨日瞑想をした部屋に行くと他の女性たちが先に着いていました。



開始5分前になるとカンカンカンカンと
廊下の鐘を誰かが鳴らし、

女性僧侶さんやナダルさん、その他外国人と日本人のお坊さん2人が入ってきて

席に着き、最後に住職さんが入ってきました。



男性の皆さんはシンプルな経机に対し、
女性は曲線でデザインのあるものを

使っていました。

母国のものなのでしょうか。



そしてすぐに全員で読経を上げ始めたと思ったら

所々で女性一人だけ読む箇所が何回か。



あれ?この人もしや御呼ばれされてる立場とか?



そんなことを考えていたら後ろからアシスタント的なお坊さんが現れ

一人ずつお焼香をしていいですよ、とのこと。



上げているのは亡くなった方のための読経です。

宗派は違いますが、心が大事。

祖母にその時の気持ちを素直に伝えました。



(今回は寝なかったよ!笑)


読経が終わるとまた住職さんの法話が始まります。

亡くなった人は自分たちのことを見守ってくれていて、

大事な時に守ってくれる、という話を

東日本大震災の時にあった複数人の実話をもとに話されました。



私は夢で祖母に逢うことはあっても

所謂幽霊としてみたことはありません。

しかし、幻覚とかオカルトとかでは片づけられないような

息をのむ話に聞き入ってしまいました。

おばけやホラーは嫌いだけど…いると思っています。



「おばあちゃんも今日ここにきてるかな」

そう母と話し、朝食部屋へ。



朝は夜より少なめ。

母はお腹が空いていたようでご飯をおかわりしていました(笑)





シニアのお二人のうち一人の女性は
「無事終わってほっとした」
と少し涙ぐんでいました。


「今日はこれからどうされるんですか」

母が尋ねると大阪のマダムは

「今日中に大阪帰らななんでこれから参拝しにいきますぅ~」

シニア組は

「昨日の夕方こっちに着いたから今日散策します、そのあとは未定です」

と言っていました。

そしてすぐにマダムは

「ほな、急がななんで失礼します~」

と出ていかれました。



この日は私たちも大移動であまり時間もなかったので

食事が終わりすぐに部屋を後にしました。



玄関(と呼ぶには開けた場所だけど)にはナダルさんがいて

「もうご出発なのですか」

と声をかけられたので今日の行き先を伝えると

「ずいぶん長い旅になりますね、お気をつけて」



その時母が思い立ったように

「よかったら一緒に写真を撮っていただけませんか」



快く了承してくださり、律儀にマスクも外してくれました。

この旅行のために買ったリモコンシャッターの出番!

ナダルさんは驚いてました。



7時半にもなると日も出てきて澄んだ空気が気持ちいい

ナダルさんは

「いつもこうだったらいいんですけどね」と一言。

冬は寒くてしょうがないらしいです。

ナダルさんずっと裸足なので辛そう。

雪かきも大変そうですね。




一旦別れを告げバス停でバスを待っていると

掃除のために出てきたナダルさんが見送ってくれました。



お坊さんだから難しいかな、と思ったけれど

手を振ったら振り返してくれました(笑)

「すごくいい人だったね」




終点の高野山駅までは停留所が2つなので遠くないのですが

途中カーブを曲がったところでびっくり!!!

道のど真ん中に軽トラが止まってて、

その荷台に脚立を乗せて道路に飛び出している木の枝を切っている方がいらっしゃいました。

いたって普通の格好で、公務員的な職業の方に見えました。



運転手さんも少し驚いたようでバスが揺れました。




「仕事早くない!?どんだけはやい出社なの」

「日中だと混むからこの時間にやらなきゃと思ったのよ」

「あれ通販で紹介映像として使ったらインパクトあるよ、高野山でも使われている、高枝切りばさみ!」

「(笑)」


いつもこんなどうでもいい会話ばかりしています(笑)



高野山駅についてケーブルを待つ間に、行きでは気づかなかった

展望室があるのに気づきました。

とってもいい天気!!


自然は素晴らしい。
今日も楽しくなりそう。



さて、ここから前日以上の路線旅です。

どこに行くでしょうか!

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