ローカルとは、ここで生きると決めること。
「菱山さんたちのいう、ローカルってなに?
鎌倉は都会だよね。一般的に、ローカルってもっと地方のことでは???」
社長のSさんに言われたことがある。
確かに。世の中、ローカルにはいろんな概念がある。
地方の過疎化などが問題になっているところが、ローカル!とか。
地方都市とか、さらに過疎地とか。
人によってイメージするものはぜんぜん違う。
というわけで
今日は、ボクらの1丁目1番地。「ローカルの定義」のお話をしよう。
1 鎌倉まちごとオーケストラ/素玄の定義
ローカルとは、
ここで生きると決めること。
と、素玄/鎌倉まちごとオーケストラでは定義している。
シンプルに、これだけ。
つまり、人がそこで生きると決めたなら、いつでもそこはローカル。
都会にもローカルはあるし、地方にもローカルはある。
鎌倉はどちらかというと、都市型ローカルだネ。
2 土から浮いてる? 土と一体化してる?
【土から浮いている、グローバル】
わたしは、かつて20年以上、東京の虎ノ門(霞ヶ関)のオフィスビルに通勤していた。来る日も来る日も、20年。しかし虎ノ門が自分のローカルか?と言われれば、たぶんまったく違う。ランチのお店には詳しいし、カフェや本屋、コンビニ、公園ぐらいは使うがそれだけだ。
総務部が地域と多少つながりがあって、たま〜に地域の掃除とか、防災訓練とか街のお祭りのお手伝いはするかもしれないが、正直よく知らない。関係ない。
グローバルにはたらく企業人にとって、地域性はほぼ意味を持たない。たまたまオフィスがそこにあるだけ。グローバルな企業はローカルの土地性から乖離している。その場所にはあるが、基本的には浮いた存在だ。
ましてやIT、オンラインになれば、その場所性はますます消失していく。
【土と一体の、ローカル】
しかし、いったんここに生きると決めたら、話は違う。グッと、地に足がつく。
この街にできる、新しい建物が何になるか気になる。いい店できるかなあ?開発計画は、この街をダメにしたりしないだろうか???良い街にするようなプランだといいなあ。この街の保育・教育制度はどうなってる?介護・老後・病院は?ゴミ収集のルールやマナーは?おお、いい人が引っ越してきてくれた♪メチャ嬉しい〜♪・・・などなど。
視点はグッと異なる。関わりが違ってくる。
自らの生きると、街の生きるが重なってくるのだ。
だから、都会にもローカルはある。地方にもローカルはある。
人が生きると決めたなら、いつでもそこはローカルなのだ。
3 こんな場合はどうなの?
【ちなみに① 住んでいるだけでは、ローカルとは限らない】
今、横浜のはしっこのマンションに住んでいるが、ここは私のローカルではない。家はとても愛しているし、隣のスーパーも使い、日々ウォーキングも楽しみ住民票もあるが、地域との関わりはほとんどない。友達もほぼいない。寝に帰るだけのサラリーマンとそう変わらない。そう。土地からは浮いているのだ。
わたしのローカルは鎌倉にある。友人も、行きつけのお店も、買い物も、さまざまなローカル活動や仕事も、暮らしの大切なものは鎌倉にある。家から20分のみぢかな生活圏。
いずれ夫の通勤が解決すれば、鎌倉に引っ越すつもりの、関係ローカル住民である。
【ちなみに② テレワークとは、旅人である。】
コロナになって「テレワークで、ローカルを楽しんでます!」という人に、街でたまに会うようになった。
地に足がペッタリついている僕らからみると、旅人だな〜と思う。テレワークで来られる方は、旅行者・観光客のみなさまと位置付けはそう変わらない。この街に来てくれてありがとう♪ 友だちのお店を使ってくれてありがとう。楽しく飲みながら少しだけ話せて楽しかったよ!
・・・でも、ボクらの暮らしには、正直、あんまり関係がない。
ま、旅人だね。
4 人はいつかは個に還る。ローカルに還るのだ。
人はいつかは組織を離れ、名刺の肩書きがない、一人の個人となる。
組織のための時間でなく、自分の時間が増える。
そして、自分の生きる場所を定め、そこでの暮らしをはじめる。
この話をしたあと
「ライフシフトとは、どこで生きるかを決めること。からなのかもしれないね。」とSさんが言った。
そうかもしれない。
ライフシフトとは、人生のシフト。
つまり自らの生き方づくり。暮らしづくり。未来づくり。
自分は何を大切にしていきたいのか。
誰と生きるのか。
どこで生きるのか。
地方でもいい。都会でもいい。
ここで生きると決めたなら、いつでもそこがあなたのローカルだ。
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