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2015年のショパンコンクール。ピアニストの聴き方。

こちらもFacebookに書きました過去記事です。
2015年のショパンコンクール。
多くある視点の1つとして、お読みください。😊

少しだけ、ショパンコンクールのアーカイブ聴けました♪ やっとです。
 
ファイナルの協奏曲は曲がシンプルなので、
まずは小品から大曲まで色々な実力の現れる3次予選から聴きました。
 
印象に残った、1位と3位のお二人。
(2位の方はまだ聴けていません。)
 
ソンジンさんは、まず何よりも、一流の音を持っていらっしゃいました。
ある瞬間だけではなく、1つ1つの音の粒全てが美しく艶があり、それらが重なり理想的なバランスの和音になり、音楽が造られていました。
3次のように演奏時間が1時間/1人という長いラウンドとなると、音が美しくなければどうしても耳が疲れてきてしまうので、これはとても大きな要素となると思います。
どこを切り取っても素晴らしく組み立てられている「断面」が見えるようです。
ツィメルマン氏の後を追うような完成度の高さ。
プレリュード28は本当に素晴らしかったです。
ショパンを逸脱することもない適度なルバートや歌いまわし、主観的すぎない情動、モーツァルト的に精錬された、「私」ではなく「音そのもののみ」を人々に提出するような音楽でした。
 
このままCDにできる演奏なので、グラモフォンさんからオファーが来るのではないかな?と思っていると、本当に出るそう。しかもライブ版だそうです。
優勝者にオファーはよくあることですが、ライブ演奏をそのままグラモフォンさんが出すのは、私が聴いた3回のショパンコンクールのうちでは初めてです。
グラモフォンさんのような大手のレコード会社は演奏者ではなくディレクターさんが満足いくまで録音し演奏を作るものなので、そのお眼鏡にかなったということなのでしょうね。( ´ ー ` )
 
彼の演奏は、浜松やチャイコフスキーコンクールの時は、テクニックの方が前面に出ていて、私の個人的に、音の心をもっと弾いてほしく思うことが実は多かったのですが、
その後、ご自身の課題と向き合いとても葛藤・努力され、知名度の上がる中で様々な経験もされたのではないでしょうか。。。
表現の深さもとても変わられていて、その変化にも感銘を受け、尊敬の想いでした。
ショパンという人の表現のための感性は、年齢を重ねれば得られる、というものでもなく、
やはり本人があれこれ試行錯誤し、ショパンの佇まいを感じ、心から共感し、
もし違えば自分を捨て、変え、獲得しようとしなければ得られないものだからです。
 
 
ケイト・リウさんは、
とてもインスピレーションの強い方で、音楽が深く。心の奥に響いてくる、「ジャル」の聞こえてくる音楽でした。
「żal」はもしかすると、ポーランドの感触を愛する人にしか聞こえて来ないものであるかもしれません。。
そんなこともあって、ショパンコンクールの審査にポーランド人の先生方がちゃんといて下さることは、「ショパン」から離れないために、とても大きな事だと感じています。
 
特に大きな曲が素晴らしく、構成力・スケールの大きさ、方向性と頂点への到達までの求心力、その裏に持続されてゆく複雑な心情のハーモニー、そこから生まれる絶妙な間合いが素晴らしく、
思わず聴き入ってしまう音がたくさんありました。
マズルカも、「3拍目だから伸ばす」のではなく、すべてその様な心の移り変わりや体の呼吸が、音の幅を決めるものだからです。
 
小さなほころびが多かったのは、このタイプの方によくあり、、、
感じるゆえ、音に反応し、日々たくさん試し、楽しみ、弾くごとに変わり、機械的な練習がどうしても減ってしまうからではないかと想像します。
(音からあまり感じない方が、かえって一定で規則的な、頭で考える練習を日々するので、ミスも少なく安定感・再現力が強くなります。)
 
トリフォノフさんや山本貴志さんと同じ、音の魂を汲み取り演奏する路線にいらっしゃるように感じました。「ピアノ」ではなく想念を弾く方。
このような方たちは、たとえ賞などがなくとも、ご自身が生きるために、音楽そのもの、そして人や天のために、
弾き続けられる方のように思います。
演奏者というよりも、芸術家に感じました。
 
 
様々な素敵な演奏を客観的に聴けることで、とても勉強になります。
そしてこの演奏達は、ご本人達にとってはきっと50〜70%の出来でしかなく。。
こうしたかったんだろうな、という音も聞こえてくるので、これから先も拝聴するのがとても楽しみです。
 
2位の方も友達がおすすめしていたので聴いてみようと思います♪


審査についての視点はこちらへ...♪*゚

https://note.com/naokohayakawa/n/n37c7c2dc7941

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