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人の夕暮れは笑顔だけ連れて
これから食事をする方や、人間の落ちゆく姿の哀れを見たくない方は決して、絶対に読み進めないで下さい。
気分が悪くなる恐れがあります。
それでも読んだ方は自己責任、具合が悪くなっても諦めてください。
病院に入院されている認知症の患者さんのある行動をここに記載します。
その方はお世話好きで笑顔が素敵な女性です。私も手はかかりますが好きな患者さんです、今でも。
ひゃー!!と患者さんの悲鳴。悲鳴の場所、トイレの洗面所へ走ると壮絶な光景が。
洗面所にタプタプと黄色い液体が!
お世話好きの患者さんがポータブルトイレの汚物をそこに流したのだ。
洗面所に、トイレットペーパーの残骸が詰まり流れないまま尿臭を漂わせ彷徨っている……
そこには黄色い固形物も少量沈殿している。
急いで10センチはある液体を雑巾で吸わせ、水を流し、拭き取り、洗剤で洗い、何度も塩素を含ませた布で拭き取る。
病院だから出来ること。同僚に酷い目にあったよと愚痴って1日を締め括れる話だ。
でも、これが自宅だったら理性を保てる自信はない。
その患者さんはいい人なのだ。認知症だからトンチンカンなんだけど、人を励ましたり、元気つけたりしている。
ポータブルトイレも自身の使用したもので無くて、隣の方の汚物の処理を自らかって出た、ただそれだけ。
嫌いにはなれないが、この行動は見過ごせない。部屋を移動して様子を見ることになったけど、認知症が進めばまた新たな問題が起こるだろう。
コロナ時代の今、病院にウィルスが侵入したら、どんなプロでも防ぎきれない要因の一つにこういう問題があるんだ。
歳を重ねるって時には残酷だね。
上っ面な上昇思考を冷めた目で見てしまうのは、人間最後は皆似たり寄ったり、笑顔さえ残れば大成功と日々思うせいかもしれない。
その患者さん、面倒いけど、嫌いにはなれないよ。
むしろ人間味溢れていて、やっぱり好きなんだ。