陽だまりと、小さなささやき
背徳の休日、ビールを片手にnoteを綴る。
湿気を帯びた街を歩くたび、身体が除湿紙になったように何かが私の意識にまとわりつく。台風や大雨の後の身体は晴れの日に比べじっとりと重い。
日陰でしか育たない植物がある。陽当たりが悪いと枯れちゃう植物もある。私はどうなんだろう。陽だまりに憧れ木陰で育つ、きっとそんな感じ。
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気圧の変化や季節の移り変わりのたびに、入院患者さんの容態が変わる。身体的変化というよりも、精神の安定が損なわれ、それが身体に症状として現れる、そんな感じがする。
月の引力で潮の満ち引きがあるよね。命が誕生したり、天に召されたりするのに関係があると言われている。人間の体重の60%は水分でできているらしいから、やっぱり天候や月の引力と身体状態は関係があるんだろうな。
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カラッとした明るいだけの文章を書きたいと願う。突き抜けるような眩しい世界に連れていってくれるような。だけど、どうしても拾ってしまうのだ。静謐な場所に生きる苔の呟きを、誰も目に留めない中で生きる雑草と呼ばれる植物のため息を。うん、それは、自分の独り言かもしれないけれど。
千々に乱れる気持ちを引き締めて、明日からの仕事は意欲的に行おうと思う。感情は嬉しいこと、楽しいことでのみ解放して、仕事で使う意識は常に理性的でありたい。おまじないの様にそう言い切る、私の信念として。
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読みかけの本を手にする。いくら読んでもすんなり入っていかない歴史物だ。それでも追いかけてしまう、分不相応でもいいじゃない。
【一外交官の見た明治維新】アーネスト・サトウ著書、坂田精一訳。
たぶん何年も繰り返し読まないと腑に落ちない重厚な史実。イギリスの外交官が体験した明治維新前後の滞在日記。当時の日本の雰囲気を感じながら想いを馳せる旅に出る。いつかゆかりの土地に旅に行きたいと思いながら。
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ようやく窓の外に晴れ間が垣間見えた。身体にまとわりついた感情の切れ端を文章にして蒸発させて、身も心も軽くなる。いつだって、何かを昇華(消化?)させる為文章を書いているんだ。
明日はなにを見つけるのだろう?どんな事を感じるのだろう?どうか、探し続けてる青空を、眩しい声を感じさせて。憧れてやまない陽だまりの温かさを手に入れたい、そう願うんだ。
それでも、きっと私は声なき声を拾い集めるのだろう。小さなささやきを、誰かに届けたくて。