行くぞ、舌育

2019年1月28日 09:51

長期休暇絞ってくるなら、休日に外国のご飯食べてちょっとでも海外感じてやる

これは、防衛医大多国籍料理会のスローガンです。
私の思いつきで春に立ち上げたこの会が、この度節目となる第10回を迎えられる運びとなりました。
各国の大使館情報などを参考に都内のレストランを選び、気合いを入れないと現地に行けない国の食文化を体験しています。
「立ち上げた」といっても固定メンバーの''会''ではなく、Twitterで情報公開をして、その都度興味を持った人からお声掛け頂き、毎回違う顔ぶれが集まっています。
ルールは、現地集合現地解散、防医(医学部？)特有の「先輩の奢り」は禁止、不公平な割り勘禁止、自分が食べた分飲んだ分をきっちり払うこと。

正直2.3回続けば上等だと思っていたので、かなり感慨深いです。これまでに41-45期(現1-5年生)延べ72名の皆さんに参加いただきました。
一学年80人しかいないコミュニティであることを踏まえると、その数の多さに自分でも驚いています。
感謝の意を込めて、私がこの会の背景に抱いている想いについて綴ります(誰得。

カラダで文化の個性を受け止めろ

私と同じ意味で使ってる人に未だ出会ったことはないけれど、大好きな言葉に舌育があります。
単に贅沢なものを食べて「舌を肥やす」という意味とは別に、私は、「色んな味や食感、風味を知る」「舌から殻を破っていく」という意味でこの造語を使っています。

陳腐ではありますが、私は、色んなものを食べて、色んな味を知って、意外な食材や調味料の組み合わせを体験することが、人としての深みを増していくと信じています。
舌は多様性の玄関口で、価値観を広げるキッカケになると思い込んでいます。
読書や旅と似たようなもので、食はある種の経験です。
ただ、食の特徴は、否応なく身体にダイレクトな経験になるというところ。頭で考える前に、カラダが文化１つ１つの個性を蓄積します。(もちろん頭でも考えますけど)
いつも食べている味しか認めないステレオタイプな舌を持つのではなく、多様性の需要の入り口としての舌を自分に育てたい、みなさんに育てて欲しいと思っています。
きっとそれが、価値観や思考の柔軟性につながっていくはずです。
当たり前じゃないものも、意外と良いかもしれません。

たとえばこのネギ、ネギとして食べますか？

まず香りを嗅ぎましょう。
ネギの香りじゃない。ど直球にニンニクの香りがします。
食感は？ネギ。味も、、、ほぼネギ。
だけど、鼻に突き抜ける香り、口に残る風味はニンニクです。
むしろニンニクより強いくらい。
正体は、唯一日本をチョイスした、アイヌ料理会で食べたキトピロ(行者ニンニク)のおひたしです。
薬味の幅が広がりましたね。
次に行者ニンニクに出会った時は、どんな野菜だろう？じゃなくて、この一皿の中でどう活かしてあるんだろう？という楽しみに発展します。

次の一皿で、キトピロはチャーハンの中で名脇役になりました。
はじめてのものに挑戦するハードルをどんどん下げていきましょう。

同じ国の他の民族の食べ物だけでもこんなにわからないんです。
鮭の腎臓(生、塩辛？)を食べてみている子もいました。(←マウスの腎臓に似てて既視感がえげつかった笑。ゲテモノは食べたい人だけご勝手にどうぞ)

これは、食材がわからないことの一例です。
世界の料理の味付けはもっと多様。
経験値、増やしたくない？

別に、毎食毎食色んなものを食べるべきだとは思いません。たまに、いつもは食べないものを食べてみることに価値を見出しています。

防医にいると、食堂のご飯は普通に美味しいけれど、雑草色の缶詰が配られることもあるし、いつ温めたのかもよくわからない冷めたレトルトを食べることもある。休日は普通に贅沢なご馳走を楽しむ。
この振れ幅のある食経験の中で、この会が防医生の多様性のモノサシを増やす一助になっていたら、、、と思うとウハウハしますね。

これはあくまでもわたしの頭の中のお話です。
参加者の皆さんには、気軽に、ただ楽しんでもらいたいと思っています。
参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。
今後も企画していきますので、防衛医大関係者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

手前味噌ではありますが、当Twitterアカウント(@takokusekigohan)は、都内のグルメ情報発信アカウントとしても有用だと自負しています。
あと、防医生じゃなくても、私と色んな食べ物を食べてみようと思ってくださった方、お声掛けください。幹事どんとこい。

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以下、使用レストラン記録

第1回モロッコ料理
タジンや @飯田橋ベリーダンス付きディナー