月島-築地散歩~建築で感動するってあるの巻~
月島から築地までぶらりと歩いた。あわよくばいいビルを発見したいとキョロキョロ歩いたけれど月島は比較的新しいビルが多く、カメラに収めたのはのらもじだけという…
レンガ調のブロックと白いパネルに浮き立つ文字の組み合わせがいいですね。
再現が難しそうな字体。予測不能な傾きと線の太さの変化。のらもじ界においては難敵タイプと見た。お店の名前とイチオシ商品の乖離についても触れざるを得ない光景です。
人工島とはいえ明治からの歴史はあるわけで、月島ではそのような建物との出会いを期待してたけど、そこにおいてはちょっと予想が外れた。下町の風情はありつつ、ビルに関しては本土(?)の下町とは違う、特殊な歴史を経てきたのか。
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佃大橋を渡って築地に上陸すると、こういうのだよーというビルが待っていてくれた。こういうのだよー。
窓デザインかっこよし。こうでなくちゃ。
ベストショットスポットはどこかな?と探していて、ん?
なんか奥にすごいオーラを発してるビルが見える。コンクリのグレーのビル。存在感すごい。
なんだこれかっこいい。
この重厚感。
ピロティもあって確信した。
間違いない。でも、こんなにも手がかりがあるのに、ビル名が見つからない。このビルは閉鎖されてからかなり時が経っているようでビルの看板も取り外されている。
ピロティ部分の天井もシステム化されていて、ほぼ100%の自信があるのに、こんなかっこいいビルが設計できるのはあの人しかいないのに、
ビル名、ビル名、どこかにない?あ、
あった!
ビル名から調べたらすぐに出てきた。丹下健三。やはり。かっこよすぎてブルブルっと震えた。建物を見てこんなに直接的に感動することってあるんだ。
ビルの周りをぐるぐると3周してじっくり味わった。これまでの丹下建築の中でもっとも深く心に響くものがあった。こんなにもかっこいい。
さっきのクリーム色のビルには電通恒産第2ビルという文字が外された跡が残っていた。どちらも今は汐留にあるあの会社のものだったらしい。恒産ビルの設計が誰かは残念ながら出てこない。そして、調べたから知ってしまったことは、
この電通恒産第2ビルから電通築地ビルまでの範囲を、大手不動産会社が既に買収しており、新しく都市開発が始まる予定ということ。
こんなにかっこよくここに存在しているのに。
買収は5年前だったにもかかわらずまだ取り壊されてはいないのだけど、不動産会社が放置を続けるはずもないので近い将来この雄姿は見られなくなるだろう。
私が知らなかっただけで、丹下建築だから当たり前のこととしてこのビルは有名なものらしく、少し調べただけでもたくさんの資料が見つかった。いわく、築地再開発計画を任された丹下が、その一つとしてこのビルを設計し、先へどんどん広げていく計画だったが頓挫し、いわく、ビル側面の構造体が切断されたようなデザインは描いた未来、延びていくはずのビル計画を断ち切られた丹下の無念を表しているのだとか。丹下がその時果たせなかったものがここに残っている。それが約50年の時を経て無かったことにされて再開発されるとしたら…
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教会巡りの回で訪れたカトリック築地教会を再訪してみると工事中だった。あの日に見たパルテノン神殿風の柱がブルーシートに覆われている。歴史的建造物に指定されたこの教会は補修によって命を長らえる。壊すことは簡単。あのビルは……どうなるだろう。
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丹下ビル近所のビルの室外機が丹下デザインみたいでちょっと笑った。