幸色のワンルーム、1巻から4巻まで読みました!
テレビドラマになってるな~と思い、気になったので読んでみました!
両親からの虐待で「生きている」という感覚さえ失ってしまった14歳の少女と、偽の名前、偽の住所でどうにか社会で「生きている」青年のお話です。
作中では「14歳の少女が誘拐された」事件の「誘拐犯」と「被害者」という設定ですが、その作中設定に作者自ら疑問を投じているように感じました。
少女の両親は虐待を世間に知られないよう、偽りの「少女が行方不明になるまでの経緯」を警察やメディアに向かって語ります。
少女の通っていた学校は、少女が学校でいじめられていたことを隠し、制服を着ていてもわかる体の痣も見て見ぬふりをしていました。まるで「うちの学校に問題はない」とでも言いたげです。そして少女の担任の先生は、彼女が黙っていることにつけ込んで、放課後、掃除用具庫に彼女を呼び出し暴行していました。最低です。
4巻まででははっきりわかりませんが、「誘拐犯」の青年は「無戸籍」なのではないでしょうか。「学校に行ったことないし」という彼の心の中のセリフから、そう感じました。「児童虐待」と「無戸籍問題」、結構重いテーマを扱ってますね。
そんな少女と青年の心模様が淡々と描かれる物語ですが、少しずつ動きもあります。
少女を暴行していた学校の先生が「誘拐犯の容疑者」として逮捕されたり、少女の両親が元刑事の探偵に少女の捜索を依頼したり。そしてこの探偵が幼少期に少女と似たような体験をしたような画も…。
個人的には、少女を親元に返さず、探偵さんが少女と青年の保護者的な立ち位置になるような解決方法ってないのかなぁ~なんて思いますが、どうなんでしょう。
この作品を読んで感じたのは、これは「社会から存在を認められない者たちの心の声」を表現しているのだと思いました。表面的な情報が実態を現しているとはかぎらない。そう、目に見えるものが真実とはかぎらない。(ん?どこかで聞いたような…。)
「ただ存在するだけでいい」と思わせてくれる人が、「いつも一緒にいる人」とはかぎらない。そういう人や場所と出会うには自分から動いて探しに行かなくてはいけないのですね。今いる場所が居心地悪ければ、居心地のいい場所を探しましょう。
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