映画『パラサイト』を観て
年末に地上波で放送していた映画『パラサイト』、録画していたのを観ました。
凄い衝撃を受けました。
そもそも原題は『寄生虫』なんだとか。身も蓋もないえげつないタイトルです。
韓国社会を風刺するブラックコメディといえると思いますが、その背景に潜む現実は、実に絶望的。様々な要素が端的に込められていて、一瞬の無駄もない、秀逸な映画だと思いました。
まず冒頭に紹介されるのは、半地下の劣悪な環境で生活する4人家族。全員無職。父は台湾カステラの事業に失敗、母は元ハンマー投げのオリンピアン、長女は美大を目指すデザイナー、その弟もなかなか優秀な浪人生。兵役の前に2回、後に2回大学を受験したけど失敗、ということです。
驚くことに、皆、頭は良いし高いスキルも持っているんですよね。普通、貧困家庭というと、頭の悪い家族を想像しますが。
これも韓国社会の失業率の高さを風刺しているのでしょう。
また、これは高い失業率ともつながっていますが、高い学歴がなけれぼ、韓国の富を独占している一部の一流企業に就職できない、という学歴社会も風刺していると思います。
加えて、韓国の若者が避けて通れない兵役も。
また、オリンピアンなら共産主義の国なら一生安泰なのに韓国ではそうではない、ということも皮肉っているように思います。
話はそれますが、これだけ失業率が高いと、若者が俳優やアイドルを目指すのもわかるような気がしました。
韓国は国土も人口も日本の半分くらいなのに、なぜこれだけの優秀な人材が芸能界にいるのかが不思議だったのですが。
また、ちょっとしたきっかけで大富豪の大豪邸に入り込むしたたかさも凄い。一流大学の学生証を偽造したり、生きていくためには善悪などお構いなしです。
また、騙されて寄生される大富豪一家もちょっとおかしい。平和ボケもはなはだしい。
「人が良くて天然なのは、生活が豊かだから。私だって生活に満足していればこんなことはしない」というような感じのパラサイトする側の家族のセリフがありましたが、確かにそれはいえると思います。ほとんどの人は、余裕があれば犯罪など犯さないのでしょう。
さて、半地下の家に住む家族はそれぞれ、家庭教師、運転手、家政婦として大富豪の大豪邸に入り込みますが、この大豪邸には地下室があり、前の家政婦の夫が4年以上隠れていました。
この夫も台湾カステラの事業に失敗して借金取りに追われており、大豪邸の家政婦をしていた妻が、この家に地下室があることを知らない大富豪家族に内緒で隠していたのでした。
なんと、韓国は北朝鮮のミサイル攻撃に備え、地下シェルターのある豪邸が多いのだとか。また、半地下の家というのも、かつて政府が奨励した防空壕代わりの家だったとか。
調べてみたら、韓国の各シェルター普及率は100%以上。日本はほぼ0。それだけ韓国は厳しい現実に置かれているのですね。
地下室に隠れていた夫は、電灯のスイッチをつけたり消したりして、モールス信号で意思を伝えるのを息抜きにしています。彼は「あんたの年代だったらわかるだろ?」と、パラサイト家族の父に向かって言いますが、この50代のオヤジ達の若い頃は、朝鮮戦争の脅威は今より厳しく、兵役での訓練も厳しかったのかもしれません。確かに、金大中事件とか光州事件など、ありましたしね。
さらにこの地下室に隠れている男は、壁にこの家の主人の写真を飾り、生きる糧を与えてくれることに感謝しています。ちょっと北朝鮮での金正日や金正恩に対する敬意の仕方に似ています。
このシーンでは、韓国が日本の竹島を自国の領土の独島だと主張して不法占拠している件でのキャンペーンソング、『独島は我が領土』も流れています。
でもこれら全部、政治色というより、何となく現在の韓国を茶化しているように感じました。韓国人は竹島が韓国の領土ではないことを、本当はわかっているのかな?
パラサイト家族に対して寛大に接する人の良い大富豪家族は、しかし彼らの臭い体臭は耐えられないと感じています。臭い体臭は、不衛生でゴキブリが這い回る半地下の家に暮らしているためなのですが、これはどうしようもなく、パラサイト家族は静かに傷付きます。
しかも豪雨で半地下の家が浸水し、パラサイト家族は体育館での避難生活を余儀なくされます。
そうとは知らない大富豪家族は息子の誕生パーティーを庭で開き、貧富の差を見せつけます。
いろいろあって、ラストは地下室で暮らしていた男が出てきて、包丁を振り回して暴れ回ります。そしてパラサイト家族の父も、大富豪の男が一瞬臭いに顔をしかめたことに逆上し、大富豪の男を刺し殺してしまいます。
・・・・・
大変失礼ながら、これは日本に対する警告のようにも感じました。
大富豪の家の地下室に暮らしていた男は戦前から日本にいた在日朝鮮人、つまり日本が朝鮮半島を併合していた時代に日本人だった朝鮮人。
半地下の家に暮らす家族は現在の韓国人。
大豪邸に住む大富豪は、日本列島の日本人。
戦後、韓国人は、戦勝国だと名乗って日本で好き放題し、現在も政治、マスコミ、芸能界などを牛耳って日本の世論を操作しています。それに騙されている日本人もバカだし悪いのですが。
漢江(ハンガン)の奇跡と呼ばれる韓国の奇跡の経済成長も、日本からの資金によるものでした。
【以下、Wikipediaより】
1960年代前半まで世界の最貧困国だった韓国は、国内総生産 (GDP) が北朝鮮を下回っていた。しかし、韓国は日韓基本条約の日韓請求権協定で個別に国民に支給すると日本側に説明して請求権資金として日本から支払われた3億ドルの無償提供資金を、韓国経済発展のための国内投資資金に回したことで半世紀で世界10位圏の経済大国に発展し、その恩恵を受けた韓国企業は巨大な財閥に成長した。(ヒュンダイ、サムスン、LG、ロッテなど)
しかし経済成長を遂げた韓国の現在の社会問題は、これら一部の大企業が韓国の富を独占し、この映画が描くような、格差社会や学歴社会を作りあげたことです。
日本がやった経済援助は一体何だったのでしょう。虚しいです。
結局自分達の国のことは、自分達でなんとかしなければ、本当の力にはならないのでしょう。
韓国に限りませんが、就職できない多くの外国の若者が、日本での就職を望んでやってきます。そして可能ならば、自分達が暮らしやすいよう、政治家を目指し、日本の国を変えていくことでしょう。
日本人は日本人のための日本を守るために、政治に関心を持ち、法整備などを進めなくてはならないと思います。
最後に、でもこの映画、家族が仲が良く、力を合わせて頑張っているところは良かったです。頼りない父親でも一応立てているところとか。
家族を大切にするというのが、希望の光なのかな?
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