今更rizin26 朝倉海VS堀口恭司2
「こんなことがあっていいのか!?世紀の番狂わせ〜!!」
2019年堀口恭司はノリに乗っていた。脂が乗りすぎてもはやギトギトだった。
そんな堀口コッテリは、MMAの本場北米でUFCの次点に位置付けられている団体ベラトールのチャンピオンを倒しRIZIN、ベラトール日米メジャー団体史上初の二冠を成し遂げた。
RIZINに凱旋する前も堀口恭司はUFCフライ級ランキング3位まで駆け上がっていた。
当時UFCのPFP(全階級同じ体重身長で戦ったら誰が強いかを示すランキング)で1位に君臨していたフライ級チャンピオンのDJに試合終了わずか1秒前でサブミッションを決められ1敗はしたものの怪物であることに違いはない。
そして、堀口恭司が所属するアメリカントップチーム通称ATTは数多くの団体のチャンピオンを輩出するMMA界屈指のメガジムだ。
そんな凄いジムの中ですら練習に対する姿勢などが評価され"HORIGUCHI HALL"と名付けられている場がある程ATTで敬意を持たれている。
普通単身アメリカへ渡ったらコミュニケーションも上手く取れずにホームシックに陥ると思うのだが、すぐ適応することが出来る精神力も兼ね備えているのだ。
西岡剛やキムテギュンのようになってしまいそうなものだが。
"史上最強のMade In Japan"
誰もがその肩書きに疑いはない。
一方朝倉海選手はアウトサイダー上がりのファイター。
いわゆる喧嘩自慢達が集まる団体出身。
将来性や才能は申し分ないが、この時点では堀口恭司に挑戦するには時期尚早と誰もが思っていた。
実績が違う。
朝倉海派と堀口恭司派どちらが勝つかのディベートがあって相手がひろゆきだとしても論破出来るほどの材料が揃っていた。
他の題材なら「それってあなたの主観ですよね?」と常套句を言われて、何も言い返せずに顔真っ赤にして暴れちゃう所ですけど。
敢えて下馬評の朝倉海選手が勝つなんて言う奴は少数派、マイノリティになりたいだけのイカサマ野郎。
日常生活でもこれ見よがしにジャスミンティーを好んで飲んでますアピールしている輩だろう。
ジャスミンティーを利用して特別な存在と発信しているだけ。
ジャスミンティーの褌で相撲を取るちびっこ相撲でも番付してもらえないようなモヤシ野郎。
そう言う奴は人の褌で何場所も相撲を取る。
放っておこう。
派生して文句を言ってしまったが、それくらい負けるわけがないと高を括ってソファにふんぞり返り観戦していた。
安心安全のMade In Japanの名に相応しい危なげな
い勝利をもたらすだろうと安心し切っていた。
そんな余裕綽々な僕の耳に飛び込んで来たのは
「こんなことがあっていいのか!?世紀の番狂わせ〜!!」
いや!本当にこんなことがあっていいの!?
まさかの1R朝倉海選手のKO勝ち。
堀口恭司に再び土をつけたのは、UFC王者でもベラトール王者でもなくアウトサイダー王者朝倉海であった。
まさに"革命のアウトサイダー"
だが、僕は認めたくなかった。こんなはずはないと呆然と立ち尽くし抜け殻状態に陥った。
生気を戻した頃の僕は反カイ政権のプラカードを持ちヘルメットを被ってさいたまスーパーアリーナの前で活動していた。
どこに行けばいいか分からなかったので、とりあえずさいたまスーパーアリーナに向かったはいいが、加山雄三が歌っている「海 その愛」の音漏れが聞こえたので「海よ、俺の海よ」と口ずさみ泣きながら帰路についた。
そうだ、海選手の勝利を素直に讃えよう。
大晦日に行われるベルトを賭けた再戦を応援しよう。と気持ちを切り替えていた。
しかし、、、
蓋を開ければ堀口恭司が選手生命を脅かす大怪我を負ってしまい再戦が流れてしまった。
蓋を閉めてお札を貼り付けたいほど、目を背けたくなる辛い現実がまだ待っていたとは。
負けた現実を受け入れて堀口が勝った世界線行きチケットの列に並ばなかったのに。
法外な値段で売り捌くダフ屋から買ってもいい位だったのにだ。
堀口本人は負けは負けと語りたがらないが、試合前から度重なる連戦で腰や膝の痛みに苦しんでいたという。
どれだけ堀口コッテリの試合を食べてもこっちは胃もたれせずに短期間で何杯でもおかわりしたいが、堀口自身の体はボロボロだった。
骨の髄までスープを取られて出涸らしになってしまっていたのかもしれない。
対人スパーリングを何ヶ月も出来てないほど満身創痍の状況下で朝倉海との試合の打診があった。
一度も断ったことがない堀口ですらこの試合の意義や自分のコンディションを理由に断ったのだが
「堀口が出てくれないと大会が締まらないよ!」
とファイターの男気に付け込むRIZIN側からのラブコールに根負けして堀口は試合を受託したようだ。
この酷使の代償が怪我に繋がった。
RIZINの前身団体PRIDEでも興行至上主義、選手ファーストでなかったことをUFCの代表であり桜庭ファンのデイナホワイトはこう答えている
「当時のプロモーターに問題があったんだよ。サクラバが得るべきだった功績を彼らが潰したんだ。本当なら、もっと違ったカタチでMMAの歴史に名前を残したはずだ。当時は計量だって本当にやっていたのかどうか知らないけど、サクラバは純粋な才能と技巧で闘ってきたファイターだからこそ、現在のUFCが定めているルール下で試合をしてほしかった。そうしたら、本当の意味での大活躍をしただろうなと思う。もったいない!」
おい!時代を繰り返すつもりか!!
あの時ホリグチを酷使しなければ…と言われる未来なんて見たくないぞ。
あと、なんだこの腐男子大歓喜の表紙は!
サクラバとデイナのラブロマンス同人誌かと思ったわ!コミケに並んでたら即完だろう!
「流石サクラバ!寝技一級品だね〜」と言い放つデイナが見たいんじゃ!オラァ!!
おっと、失敬。
取り乱しました、話を戻しましょう。
堀口の療養期間中に朝倉海は快進撃を続けてた。
バンタム級四天王の1人佐々木選手の顎の骨を2箇所粉砕して1Rで下し、堀口恭司でさえ判定までもつれた扇久保選手をも1Rで下した。
正直この二戦を見たら堀口狂信者の僕でも信仰に疑いを覚え始めた。
"堀口恭司がまた負けてしまうんじゃないか"
負けた後の精神を保つ為に、敢えて朝倉海選手が1日中トレーニング漬けの日々を送っている記事を読み漁り海もすごい頑張ってるんだから報われるべきだろう。と思えるように僕は体ではなく大晦日に向けて精神を仕上げていた。
復帰戦にいきなりタイトルマッチ朝倉海戦なんて無謀じゃないか…?
選手生命を脅かす怪我をした膝が万全に戻っているのか…?
いくら堀口恭司とはいえ、前回の負けの残像が残っていて飛び込めないのではないか…?
そんな外野の声に向けて堀口恭司は
こんな教祖直々の"ありがたいお言葉"を頂いてもなお半信半疑だった。
試合が楽しみな反面これ以上堀口恭司が負ける所を見たくなかった。
「早く見たい」という気持ちと「一生来なければいいのに」という気持ちが混在していた。
そして、戦いの火蓋は切って落とされた。
恐らく卓越したパンチ力を持つ朝倉海が勝つならいつも通り1R。
堀口が勝つとしたら、カウンターを警戒しながら寝技に持っていくと思うので長いラウンドか判定と予想していた。
試合終了のゴングはまた"1R"に鳴り響いた。
1R……………。
「取り返したー!栄光を!!!」
おぉ!!
1Rで堀口が勝った!
こんなことがあっていいんだ!!こうでなきゃダメなんだ!!玉座は堀口恭司の物だ!!!
堀口恭司1R KO勝ち。
うれじい!!
やっぱりRIZINのベルトは堀口恭司しか似合わない!
革ジャン同様ベルトもずっと巻いていた人に馴染んでいくもので、ずっとベルトを保持していた堀口恭司に仕様にベルトもなっているのだ!
そう!チャンピオンベルトは革ジャンなのだ!!
せーの、チャンピオンベルトは革ジャ〜ン!!!
前回の負けを糧により成長し強くなったチャンピオンが戻ってきた!
KOされてつけられた土は培養土だった!
終わった後、浮かれている僕は堀口恭司の入場曲「My Time」を流し入場を思い浮かべながらスパークリングワインを買いに行った。
もう俺が1戦目ソファで観戦していた体勢より深く机に足乗せてふんぞり返って玉座に座っていてくれ!
ドラマお金がないエンディングの織田裕二ように!
過ごしやすくなる為に玉座にリクライニング機能もつけて労いたい。
フルーツを嗜み両サイドにデカい扇子で扇いでくれる女性を置きリクライニング玉座でゆっくりしていて欲しい。
そして、内容としては話題にもなっていた
"カーフキック"
カーフキックとはローキックと違い、筋肉の鍛えようがない脛付近を蹴ることを言う。
筋肉が薄い場所なので、より効きやすく麻痺を起こし機能停止させることが出来るというものだ。
カーフキックが朝倉海に有効だった理由としてあたかも有識者のような顔して言うと
・元々ボクシングスタイルでローキックの対処が遅れる癖がある。
・前回の試合で独特なステップから放たれる堀口恭司のパンチに右のカウンターを合わせて勝利している。
その成功体験があるので、同じステップでカーフキックを打ってくるとパンチと錯覚して対処がより遅れる。
・今回堀口恭司が持つ全ての武器を使うと言われていたことから、テイクダウンを警戒してより前足荷重になったから。
この三点が挙げられる。
試合直後朝倉海選手の足は変色して立つこともままならない様子であった。
じゃあこのカーフキックどのように対処すればいいのか。
堀口恭司曰く
「カーフキックを受ける位置を脛の骨側にするだけ。それで打った方が逆に痛めることになる。簡単なんですけど」
簡単って言っているけど、試合中瞬時に対処出来ないだろ…と思い見返したら
ちゃんと簡単にその対処していた…。
そして今回作戦が3通りあったようで
プランA:タックルして寝技に持ち込む
プランB:カーフキック
プランC:全てを使って早いスピードで圧倒する
今回はプランAに移行するまでもなかったが、寝技に持っていく試合も今後見てみたいものです。
ん、、、?寝技、、、?
??「流石ホリグチ!寝技一級品だね〜」
そういえば、貴方が住むフロリダ州は同性婚が認められている州でしたね。
ではなく、本当に寝技でも圧倒する所をデイナが見て今堀口恭司はUFCでどこまで上り詰めることが出来るのか見たいんじゃ!!オラァ!!
追伸
入場前の張り詰められた空気の中での高田延彦キャプテンが慢性的に口にしてしまう
"男の中の男出てこいや!"
に笑い堪えきれていなかった堀口恭司。
可愛い。
追伸2
大晦日同級生の家にいたので、事前にPPV購入して後日アーカイブで見ようとSNSやネットニュース遮断していたのに
「おぉ!!1Rじゃん!!」と同級生がネットニュース見て叫んだので
「おい!言うなよ!」と一喝したら
「いや、2R…!はたまた3Rか…。」と目がバシャバシャ泳いでいた。
黒目向こう岸まで泳ぎ切っていたので、もう白目しかなかった。
なので本当は「あぁ…1Rで終わりか…」と頭の片隅にありながら観戦してました。
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