「新型コロナウイルス感染予防に関して(接触感染)」 -認知症とともによりよく生きる -

 認知症の人と家族の会福岡県支部の月刊広報誌「たんぽぽ」に「認知症とともによりよく生きる」という連載を行っています。今回、許可をいただいてnoteにも転載することとしました。 
 こちらの記事は、2020年6月号に掲載されたものです。

 今回は、新型コロナウイルス感染症に関して。なんと言っても感染予防について知りたいという方が多いと思いますが、それにはどのように感染するのかを理解する必要があります。新型コロナウイルスは接触感染と飛沫感染をすることがわかっており、今回は接触感染についてお伝えします。

 接触感染とは文字通り触れて感染することですが、触ったからといって即感染するというものではありません。ウイルスが付着したものが目、鼻、口に触れることで感染します。最も多いパターンは、ウイルスに触れた手を口や鼻に持っていき感染することです。このため、手指の手洗いが重要になります。短時間手を洗うだけでは親指や指の間など洗い残しが生じます。15秒以上かけて、まんべんなく洗いましょう。洗うだけでなく、きちんと手を拭き乾かすことも重要です。手をアルコールで消毒することも有効ですが、アルコール度数が70-95%必要です。度数が表記されていないジェルなどでは感染対策には不十分です。このアルコールによる消毒では、指先から消毒し十分な量をつけて乾くまですりこむことがポイントです。もう一つ、よく顔に触れるのが電話です。過去に起きた院内感染では、携帯電話から感染拡大したと考えられている事例もあります。スピーカーモードにして話をするか、特に携帯電話は消毒を行うようにしましょう。また、職場などにおいては、ドアノブなどの皆がよく触れる場所を定期的に消毒することも重要です。消毒を行うのにどういったものに効果があるかについては、厚労省や経産省のサイトにまとまっていますので参考にされてください。基本的には家庭用洗剤を薄めたもので結構ですが、有効な種類や濃度があります。

 ここまで読まれてお感じだと思いますが、家庭内で接触感染を防ぐのは極めて困難です。家庭の外からウイルスを持ち込まないよう、外出から戻ったらしっかり手洗いをして可能であれば服を着替えるようにしてください。

 次回は、飛沫感染についてお伝えします。


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