第1話 薄っぺらいプライドの持ち主
SAJスキーバッジテスト2級
今となっては、その資格取得のための指導をしたり、検定の前走(お手本)をさせていただくこともあります。
しかし、初心者だった当時この“2級”は私にとって、初心者と有級者の間を隔てる大きな壁でした。
一生懸命練習する先輩達に流されるように、
居候中は、検定での合格を目指すことになりました。
2級ぐらいなら・・・
居候が始まってからある程度練習した後、
「2級ぐらいならいけるだろう…」
先輩に見てもらった時もそう言われていたこともあり、心のどこかでまだ受けたこともない2級を軽く見ていました。
そして、恐らくこの先一生忘れることのできない苦い記憶となる2級初受験の日を迎えることとなるのでした。
ですが、その経験が全ての始まりでしたが、
それはまだ少し先の話…
2級検定 初挑戦
初のスキー検定の受験でしたが、
特に大きなミスもなく無難に演技を終え、
当然合格と思いながら余裕で発表の張り出しを見に行きました。
ところが、同じくらいと思っていた同級生は合格
自分はなんと、全種目減点で不合格でした。
目の前が真っ白になった感覚は今でも鮮明に覚えています。
今となっては良い思い出ですが、
検定後に我慢できなくなり、スクールへ殴り込みをかけに行きました。
自分の能力の無さの怒りからか、
検定員の皆様への八つ当たりに近い抗議をしました。
同期の先立つ合格
原因も分からない減点
不合格により露呈していく才能の無さ
上達する実感の無さ
考えれば考える程、負の感情に覆われ、
本気で才能が無いことを理由にサークルを辞めようかと思うほどでした。
中でも一番辛かったのは、講習の班分けでした。
研修生なので、スキー学校の講師による講習が午前・午後と実施されるのですが、
『2級受験組』
『1級受験組』
『1級合格組 (^0^) 』
この3つのグループに分かれて講習が行われます。
2級受験組は瞬く間に上達して2級に合格し、1級受験組へと上がっていきます。そして当然の様に2級受験組は人数が減っていき、次第に取り残されていくのです。
その劣等感は薄っぺらいプライドの持ち主にとっては、耐え難いものでした。
いつか絶対に、こいつら全員抜かす!
そんな中で、なぜモチベーションを保つことができたのか?
その答えも、皮肉なことに私が薄っぺらいプライドの持ち主だったからです。
中々上達できず、2級にも不合格という有様で、
先輩や同級生に見下されているように感じました。
(実際は全くそんなことはなかったと思いますが)
悔しさと自分への怒りから、私は一つの誓いを立てました。
『先輩も同期も、いつか絶対にコイツら全員抜かす!』
その奮起をきっかけに3日間ずっと一人で両足を強力なゴムで縛り、
足をそろえて綺麗なターンができるように猛特訓しました。
そのおかげで次の検定では、
オールフラット(全種目合格点)でギリギリ合格。
因みに、当時の検定員にはまだ謝ってません(笑)
その後も1級受験、チームメイトとの衝突と更なる苦悩が待ち受けていたのですが、
それは次回お話しします!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!