黄金比って嘘じゃない?
黄金比とは人が最も美しく感じると言われる比率(おおよそ1:1.6)のことです。この比率の四角形を作り、そこから正方形を次々に切り出して角をつなげると黄金螺旋という形ができます。
黄金螺旋はその美しさから絵やアート、建築や自然界の生き物にまであらゆる場所に現れていると言われています。でもそれって本当なの?と疑問に思ったので色々調べました。まず黄金螺旋が使われているものとして挙げられるのが、
オウムガイの殻
パルテノン神殿
レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザ
名詞やクレジットカード
パリの凱旋門
などですが、少なくない?というのが率直な感想です。美しいとされるものって世の中にたくさんあるのにこれだけしか黄金比が使われてないそうです。ということは別に黄金比を使わなくても美しいものが作れるということになります。次にこれらに実際にどのように黄金比が使われているかをみてみます。
まずはオウムガイの殻。黄金螺旋を重ねてみるけど、中央部分が上手く合いません。
黄金螺旋の位置を変えて中心部を揃えてみると、今度は外側が大きくずれます。
想定では全体的にピッタリ重なるのかと思っていましたがそうはなりませんでした。どうやらこの程度の一致でも「黄金比が使われている」と言っていいそうです。世界中にある何万種の中から選んだたった一つの貝ですらこの程度の一致です。
次にパルテノン神殿を見てみましょう。この位置で合っているかわかりませんが、確かに黄金螺旋に沿った部分はありそうです。
特に矢印で示した横線は建物の線とうまく一致しているように見えます。とはいえ、例えば黄金螺旋の上部など、何箇所かはまったく一致していません。
そもそもこのパルテノン神殿、緑線で示すようにかなり多くの線があるので、これだけあれば何かしらが一致してもおかしくないように思いました。
オウムガイの件と同じく、全世界に何万もある美しい建造物から一つ選び抜いた割には、大して黄金比に一致していない印象です。
ここまでくると、「なんでも黄金螺旋に一致すんじゃね?」と思えてきました。そこで適当に拾った電子レンジの画像に黄金螺旋を当てはめてみます。
はい、見事にたくさんの箇所が一致しました。特に取手やボタンの位置がピッタリです。どうやら「電子レンジには黄金比が使われている」と言えそうです。
次にニコラス・ケイジ行きましょう。
顎から頭蓋骨、髪の生え際、目の上、眉の終わりが黄金比に完全一致しています。もう一枚、今度は黄金比の図形を反転させました。
顎から鼻の距離、そして彼の前歯が完全に黄金螺旋と一致しています。
この前歯ほど綺麗に黄金螺旋に一致した例は見たことありません。どうやら「ニコラス・ケイジには黄金比が使われている」と言えそうです。
最後に僕の好きな唐揚げにも黄金比率を当てはめてみます。ご覧の通り、正面の唐揚げに黄金螺旋の中心を合わせると、レモンの皮と螺旋が完全一致しています。
今度はお皿の上下と右面を黄金比に合わせました。するとどうでしょう、向かって左奥のからあげを、黄金螺旋の真ん中部分が完全に捉えています。
以上です。もしかしたら今回選んだ画像がたまたま黄金比率に一致・不一致しただけかもしれません。ただ、デザインの法則とも言われる黄金比も、その名前だけで鵜呑みにしてはいけないと感じました。
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