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中小企業診断士2次試験の再挑戦について(その1)

 12月11日(金)に2次試験(筆記試験)の合格発表がありました。例年通り、2割弱の方が合格し、20日(日)の口述試験に進み、現時点では終了しています。基本的には、年明け早々に合格となって試験対応が終了となります。その後の話は、このnoteにもたくさん情報がありますので読んでみて下さい。

 今回は、逆に約8割に当たる不合格となった方に向けて、試験から遠ざかっている立場からコメントしたいと思います。特に、複数回不合格になっている方や、合格点数から遠かった方向けにと考えています。遠かったというのは、CやDがあるとか、Aが2つなかったとか、そのくらいの定義です。

1 過去問の使い方(春先まで)

 特に、事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲですが、今すぐに過去問を解き直し、優秀な答案と比較したり、点数をつけたり、採点しあったり、仲間でディスカッションするのはやめましょう。採点するということは、解答用紙に書いた結果について良かったとか、悪かったを判断することなのです。しかし、解答を作成するところで躓いているのではなく、解答を作る前に躓いているパターンが多いです。

 よって、設問要求から何の知識を想定するのかという最初のプロセスに絞って過去問を使うようにしましょう。解答を作るのは1次試験が終わってからでも何とでもなります。知識については、1次試験で出てくる用語の意味を知る(1次試験に合格するための知識)ということだけではなく、設問要求から想定される知識も含めてとなります。

2 設問要求から想定される知識について(事例Ⅲを例に)

 事例Ⅲを例に、簡単に説明してみたいと思います。ちなみに、受験校の講師ではないので、内容について冷たく当たらないで下さい。例えば、設問に「生産計画上の・・・」とか「生産工程の・・・」と書いてあったときに、生産計画ねとか、生産工程ねとか言っているようではいけません。生産計画だったら、日程計画、工程計画、負荷計画の可能性があるとか、生産工程だったら、作業管理、設備管理、資材管理、外注管理の可能性があるみたいな知識です。

 なので、事例Ⅲで過去問を利用されるのでしたら、強みを全部抜き出すとか、課題や問題点を全部抜き出す練習をやった方が良いと思います。もちろん、これをディスカッションするのは構わないと思います。課題や問題点があるということは、改善策も書いてあるか、自分で考える必要がありますので、それらは本文から抜き出したり、1次の運理管理(生産管理)や企業経営理論の知識で埋め合わせしておきましょう。これらを何年もやってみてリストに整理するのは、春先までの学習としてとても良いです。

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3 1次試験の知識について(春先まで)

 2次試験で必要な1次試験の知識は最低限揃えておくべきです。特に1次試験で企業経営理論、財務会計、運営管理が60点とか70点で合格された方は、知識が足りない可能性が高いです。知識だけあってもその知識を運用できないと意味がないのですが、想定される知識もイメージしながら体系的に復習や整理しておくと良いと思います。

 このためにお金をかける必要はありません。今まで持っているテキストでも構いませんし、Youtubeで講義もやってたりしますので、それらを利用されればと思います。覚えるという観点では、まとめシートの前編1冊あれば良いかと思います。 

4 事例Ⅳの対応について

 事例Ⅳが得意な方は、特に対策不要かもしれませんので、どこまでも過去問を遡って取り組めば良いと思います。しかし、A評価が取れない方については、経営分析、計算、知識に分けて対策を考えましょう。経営分析については、以下の記事も読んでみて下さい。

 まずは、指標の公式を完璧にしましょう。計算や知識については、1次試験に出ているものをきちんと理解すれば、A評価の点数になると思います(難しいときは嵩上げしていますので)。特に、1次試験の財務会計は、企業経営理論や運営管理より丁寧に学習し、1次試験の受験者と同等のレベルで学習しましょう。2次試験の過去問を解くと分かりますが、基本的に1次試験で足りることが分かりますし、答えも1次試験のテキストにあります(テキスト見ながら解いても良いです)。他人に説明できるくらい隅々まで抑えましょう。

5 最後に

 中小企業診断士2次試験の再挑戦についてということで、春先までにやっておきたいことを中心に簡単に書かせて頂きました。まずはいったん忘れるために、しばし休憩して頂くのも良いと思います。しかし、再度始めると決めた暁には、とにかく、過去問の前に基本知識だったり、プロセスの最初から整理しようということをお伝えしたいです。もう少し続きを書きたかったのですが、分量も多くなったのでここまでとさせて頂きます。反響があれば(その2)というか続きを書くかもしれません。

 今年1年間で11回の投稿をさせて頂きました。今のところ、来年も続けたいと考えていますので、今後とも宜しくお願い致します。

#中小企業診断士 #企業内診断士 #中小企業診断士二次試験

 

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