大切な人を亡くした日

自分はずっとAVや風俗に翻弄されている
初めての同棲相手は知らぬ間にAVに奪われたし
婚約者はAVに殺された
大好きだった人は、今もAV嬢をしている

そして…その間にもう一つ辛い出来事があった

若い頃B'zにどハマりしてた
ON AIR WESTのLIVEを見たり
横アリや代々木には全通するくらいには

そのころ、B'zの私設ファンクラブに入ってた
毎晩チャットでファン同士が親交を深め
B'zのことで夜中まで盛り上がっていた
オフ会も頻繁というか毎週末で
本当に自分の青春だったんだ

そこに現れた1人の女の子
彼女は超有名コスプレイヤーだった
ゲーマーとしても有名で、オタクの間では
彼女を知らない人はいないくらいの有名人
今の時代なら、えなこさんになれていたと思う

当時はコスプレイヤーとして飯を食っていた自分…
雲の上の女性に恐る恐る声をかけた

いつの間にか、彼女は自分のことを…
夢を見てるみたいだった
そしてもう一つ、彼女はAV嬢の過去があった
正直知っていた…スカウトを副業にしてたんだもん
憧れの人がAV出てたこと、知らないわけがない
それでもよかった、過去なんかどうでもいい

その頃、自分のことを好きと言ってくれる人がいた
同じB'zの集まりで仲良くなった女の子
もちろん「彼女」は「その子」とも仲良しだし
自分たちが半同棲してることも知っていた

だからその子の誘いは全て断った
みんなで行くB'zとプロレスだけは別だったけど
今思えば、彼女の羽振りの良さは異常だった
これはスカウトの勘だけど、おそらく風俗嬢だろう
空気感や話し方で察するものだ…
彼女は、グループ内に「兄弟」をたくさん作った
自分はそれを断り続けた
クズだった自分がずっと守ってきたこと
「好きな人としかカラダは重ねない」
これだけはジジイになった今でも守っている

そんなある日、彼女のホームページに異変があった
「崩御」という文字が踊っていたんだ
何度連絡しても連絡がつかない!
いつもならすぐ返ってくるメールも返ってこない
誰も彼女の自宅を知らなかった…千葉県としか

今でも理由はわからない
あの日以来、仲良しだったグループは無言になった
その子とも全く誰も連絡が取れなくなった
そしてすぐに半同棲していた「ウチら」も終わった

その後本気で人を好きになるまで、18年かかった
人を好きにならなければいいとは思ったけど
自分に引導を渡すって意味では、よかったのかな…

きっともう自分が恋愛をすることはないだろう
誰かを応援したりすることはあっても
恋愛したところで、人を信じられることはないから

懐かしい思い出
プロレスを見る度、一緒に観戦したことを思い出す
蝶野正洋が大好きだったあの子
どこかで幸せに生きていてくれたらいいな…

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