「東京レインボープライド2023」出展ブースの設計でデザイナーがこだわったこと
こんにちは!BASEのUI/UXデザイナーで、BASE社内Allyコミュニティ「BASE_rainbow」リーダーのmunechikaです。
※Ally(アライ):LGBTQの人々を理解し、支援する人々。BASEのAllyコミュニティではLGBTQだけでなくあらゆるマイノリティに対して寄り添う人々を指す言葉として使用。
先日4月22日〜23日に東京・代々木公園で開催され、約20万人が来場したアジア最大級のLGBTQ関連イベント、東京レインボープライド2023(以後、TRP2023)。
BASE株式会社は本年度初めて協賛し、ブースを出展。
私たちのブースは「"Power to the People."抽選会」と称した「BASE」利用中のショップ様の商品が当たるくじ引き大会を実施。
たくさんの来場者で賑わい、大盛況でした!
今回のブースは社内のAllyコミュニティメンバーが中心となってコンテンツを企画し、ブース装飾やノベルティのデザインも社内有志のデザイナー達で行いました。
UI/UXデザイナーがお祭りのブースをデザインする機会はそうそう無いと思うので、後学のためにもブースデザインでこだわったポイントをまとめてみたいと思います!
ブースデザインでも最高のUXを提供したい…!
イベントブースは企業のブランディングコンテンツとして非常に重要です。来場したお客さんにとってブース体験は、そのまま企業イメージにつながる可能性が非常に高いからです。
私たちのブースコンテンツは「"Power to the People."抽選会」と称した「BASE」利用中のショップ様の商品が当たるくじ引き大会。来場者全員に特製ノベルティを配布し、くじ引きで当たりを引いた方にはその場で景品をお渡ししました。
ブースは約5畳くらいの広さ。イベントは2日間に渡り開催されます。
その中で30の協賛ショップ様から提供いただいた合計300個の景品と各種備品を雨や風で汚れないようしっかりと保管し、多くの来場者にたいして抽選や商品のお渡しをスムーズに行わなければなりません。
また私たちはBASE株式会社として出展したので、「BASE社らしさ」を適切に訴求する必要もあります。
バックヤードが剥き出しで清潔感のない印象になってしまっては、せっかく素敵な商品を提供いただいたショップさん達の面子も立てられません。
なので、今回のブースは
・企業としてAllyを表明するためにレインボーのロゴを作る
・景品や備品を保管するバックヤードスペースを確保する
・来場者の抽選・接客対応スペースを確保する
・バックヤード↔︎接客スペースの導線を妨げない
・「BASE社らしさ」を担保しながら「PRIDE」の訴求を行う
・バックヤードが来場者から見えないよう仕切りを作る
といったポイントを意識し、
ブースに来たお客さんに最高のUXを提供してやるぜ!うおおおー!!!
という意気込みでデザインしました!笑
特にこだわったポイント3つ
1.「のれん」で空間を有効活用!狭い空間でも「在庫保管&接客スペース」と「スタッフ導線」を確保!
今回のブースは1区画あたり:横2.7m、奥行き3.6m、高さ2m。約5畳程度の広さ。
展示会ブースなどの簡易的な間仕切りにはよくスタンドパネルやパーテーションが使用されるのですが、これらは設置のためにスタンドが必要で、ある程度の面積を占有し、空間内の導線を妨げてしまいます。
面積を使わず、導線も妨げない仕切り...悩んだ時に思いついたのが「のれん」でした。
のれんは布1枚を吊り下げて使うので、面積を占有しません。更に「人がくぐり抜けて使う」ものなので、導線も確保できます。
のれんは印刷の自由度も高く、広い面でのブランディングも可能です。更に綿などの素材で製作すれば汚れても洗濯して繰り返し使用することもでき、地味ながら一石三鳥くらいの装飾アイテムだと思います。
バックパネルなどと比べて製作コストも比較的安価で、繰り返し使えばコスパも更に良くなります。
吊り下げ方法を都度考えなければならないところがネックですが、工夫次第でいろいろな活用ができそうです。
2.見落としがちな「床」と「ブースの外側」にも配慮すべし!
ブース装飾の際、盲点になってしまいやすいのが床とブースの外側です。
特に今回のTRPのような屋外イベントでは床が砂地になってしまうことも多く、そのままではブース内に砂埃が舞って、商品や備品の汚れ、スタッフのアレルギー症状などに悩まされる可能性が高いです。(筆者は過去にも屋外ブースの運営を行なったことがあるのですが、床が無防備だったので数時間で机に砂が積もり、くしゃみが止まらなくなりました…)
タイルやカーペットなどの床材で施工しようとするとかなりのコストがかかるのですが、私たちは園芸用のビニールシートを使用し、数千円のコストで快適な空間を手に入れることに成功しました。笑
また床は面積が多いので、色を持ってくるとブースの印象がぱっと明るくなります。
そしてもう一つ、ブースの外側です。
私たちは通りに面した区画に配置されたので、ブースの外側に巨大なロゴステッカーを貼りました。TRPは開催直前のタイミングまでブースがどこに配置されるか、企業側は知ることができません。なので角に配置された場合に備えてステッカーを作っておいたのですが、功を奏しました。
ブースが角に配置された場合、テントの外側は完全にデッドスペースになりますが、ロゴステッカーを貼るだけでもブランディング訴求ができます。
側面用に看板や横断幕を作る案も考えたのですが、費用も製作期間もそれなりにかかるため断念しました。
ステッカーなら安価に製作できますし、剥がせる素材で作ればレンタルのテントにも使用が可能できるので便利な装飾アイテムです!
3.「BASEらしい」コンテンツとは何か?私たちの想いとショップさん達の想いを届けるノベルティたち
BASEは、”Payment to the People, Power to the People.”をミッションに掲げ、すべての人が活躍できる社会の実現を目指して企業活動を行っています。
今回の取り組みは多様な商品や作品を販売されているネットショップ作成サービス「BASE」のショップ様と一緒に、ショップ様の想いや商品を通して多様性の素晴らしさを発信していくことをテーマとし、特に"Power to the People."の実現につながるのではないかと考えました。
どうすれば私たちなりの方法でTRPの場で"Power to the People."を表現できるか。
検討の結果、私たちのブースでは抽選会のほか、来場いただいた方全員にメッセージカードをプレゼントすることにしました。
これは私たちの取り組みを通じて身近な人を勇気づけたり励ましたり、誰かに”Power”を贈るようなアクションに繋がればいいな、と想いを込めたノベルティです。
また、抽選会の景品には各ショップ様のショップ紹介 + 協賛にあたってのオーナー様の想いを記載したA5のチラシをセットにしてお渡ししました。
当初は名刺サイズでショップ名とQRコードのみ記載した簡単な紹介カードを付けてお渡しする予定だったのですが、各ショップ様から「BASEの取り組みを通してマイノリティの方を支援するアクションが起こせて嬉しい」「自分自身もLGBTQ当事者。多様な生き方を支援できるような商品を提供したい」など想いのこもった長文メッセージを多数いただきました。
制作納期も迫っており余裕はなかったのですが、ショップ様から寄せられた想いはまさに"Power to the People."そのもの。しっかり来場者に届けたいと考え、急遽A5サイズのショップ紹介チラシを30ショップ分作成して配布することに。
全社に制作や準備の協力要請を呼びかけ、皆で準備を頑張りました。(学園祭みたいで楽しかった。笑)
さいごに
TRPへの協賛もオフラインのフェスへのブース出展も、BASEとして初めての取り組みだったので色々と大変なこともありましたが、たくさんの方のご協力のお陰で良いクリエイティブと良いブース体験を創ることができたのではないかなと思います。
関わってくれた全ての方にこの場で御礼申し上げます。ありがとうございます!
協賛の企画内容やAllyコミュニティの活動については以下の記事でもご紹介しています。
併せてぜひご覧ください!
■Allyコミュニティメンバーによるイベントレポート
■BASEのAllyコミュニティについて