【ポケモン】シャリタツはお寿司に擬態しているわけではない!?
みなさんは、シャリタツというポケモンをご存じでしょうか?
パルデア地方に生息する小型のドラゴンポケモンで、一見 魚のような見た目をしています。
その見た目に違わず、みずタイプも有しており、オージャの湖に行けば簡単に見つけることができます。
シャリタツには写真のように3種類の姿があり、それぞれ「そったすがた(橙)」・「のびたすがた(黄)」・「たれたすがた(紅)」と呼ばれています。
コミカルでビビッドな姿が可愛らしいですね。
そんなシャリタツ、ポケモン図鑑での分類は「ぎたいポケモン」となっています。
この「ぎたい」は、図鑑の説明文を読むに「擬態」のことだと普通に解釈して間違いないでしょう。
ここでいう「擬態」とは、生物が自衛や攻撃などに有利となるよう、別の動植物や物に似た姿かたちをとることです。
例えば、ナナフシという昆虫は、木の枝に擬態することで、外敵から身を隠せていると言われています。
逆に、危険なアシナガバチに擬態することで、外敵を欺けているとされているトラカミキリや、海底に擬態して身を隠し、身を守るためでなく獲物を捕食することに有利となっていると見られるアンコウなど……。
擬態にも様々なパターンがあります。
では、シャリタツは一体何に擬態するポケモンなのでしょうか?
おわかり頂けたでしょうか?
もう少し大きく写っている写真を見て頂きましょうか。
これは――?
擬態ポケモンという分類。
お寿司のような姿かたち。
そして、鳴き声「オレスシ……」。
きっと、多くの学生さんが「なぜ湖のほとりでお寿司に擬態を?」と、大いに困惑したことでしょう……。
Twitterでも話題になっていました。
共生関係にあるポケモンのヘイラッシャや、その技「いっちょうあがり」なども相まって、その困惑はシビルドンのぼり!
シャリタツは「何故か湖のほとりでお寿司に擬態している不思議なポケモン」として、多くの学生さんの思い出に刻まれたことだと思います。(流石、ドラゴンポケモン! 神秘的で強力!)
でも、シャリタツは本当にお寿司に擬態しているのでしょうか?
水を差すようで恐縮なのですが……。
私は、実は違うのではないかと考えています。
その最大の根拠は、ポケモン図鑑の中に潜んでいます。
1.擬態の意義
まず、シャリタツは擬態によって、どのような利を得ているのでしょうか?
上記の図鑑説明から、シャリタツはドラゴンポケモンではありますが、体が小さく力の弱いポケモンだということがわかります。
また、知恵を働かせて生きているという記述から、力が弱い分 知能がよく発達していることもうかがえます。
冒頭で挙げた「画像 1」の図鑑説明でも、「ドラゴンポケモンの なかでも 賢さは トップクラス」とありました。
ということは、シャリタツはその高い知能で、意図的に擬態し外敵の目を欺いているのでしょうか?
上記の図鑑説明から、シャリタツは、体が大きく力も強い反面 知能が低いヘイラッシャというポケモンと共生関係にあることが読み取れます。
互いに長所で短所を補い合っている、よい関係ですね。
具体的には、ヘイラッシャの口の中に棲むことで、外敵から身を守っているとの記述が見られます。
また、図鑑説明にはないのですが、陸上で擬態しているシャリタツに近づくと、早々に擬態をやめて水の中へと逃げていきます。
以上のことから、シャリタツの擬態は外敵から身を守るためのものではないと推測することができます。
では、シャリタツはなんのために擬態をしているのでしょうか?
上記の図鑑説明から、シャリタツは擬態によって獲物をおびき寄せ、狩りをしていることが読み取れます。
確かに、水辺に目立つ色の魚介類が落ちていれば、それらを食べる動物やポケモンからは絶好の的になることでしょう。
ですから、あの擬態は外敵から身を守るためとは考え難く、獲物をおびき寄せるための擬態というのはとても納得がいきます。
結論①
2.獲物の視点
では、シャリタツの獲物とは具体的になんなのでしょうか?
その答えもまた、ポケモン図鑑の中にあります。
「鳥ポケモンがおもな獲物」とありますね。
実際にシャリタツの生息するオージャの湖付近には、カラミンゴやムクホークをはじめ、数種の鳥ポケモンが生息しています。
さて――。
ここで、ついに本題です。
もし本当に、シャリタツがお寿司に擬態しているのだとすれば、オージャの湖付近に生息する鳥ポケモンは、お寿司を好んで食べるということになると思います。
しかし、商業施設や住宅街のような人の多い環境であればいざしらず、オージャの湖の周辺には、お店や民家どころかポケモンセンターさえありません。
そんな場所に生息する鳥ポケモンたちをおびき寄せるために、わざわざお寿司に擬態するというのは、やはり不自然すぎないでしょうか?
もちろん、水辺にお寿司が落ちていれば、そのネタの部分は、魚介類を食べる動物やポケモンに狙われても不自然ではないと思います。
しかし、だからと言って、シャリまで揃ったお寿司に擬態する必然性はやはりないように思えます。
そこで、ふと気づいたのです。
私たちが擬態するシャリタツを見る時、基本的にはシャリタツと同じ地面の上から、つまりほぼ横から、側面を見下ろすかたちになると思います。
しかし、シャリタツの獲物である鳥ポケモンたちはどうでしょう?
上空を飛びながら、エサとなる魚やエビのなどの生き物(ポケモン)を見つける場合が多いのではないでしょうか?
そしてその場合。つまり上空からは、お寿司のシャリに当たるのど袋の部分は、ほとんど見えないのではないでしょうか?
いかがでしょうか?
のど袋(シャリ)の部分はほとんど見えませんよね?
つまり、シャリタツはお寿司に擬態しているわけではなく、陸上に打ち上げられてしまった魚やエビなどの魚介類の死体に擬態しているのではないかと私は考えます。
そして、それがたまたま私たちにはお寿司に見えるから、私たちはシャリタツがお寿司に擬態していると勘違いしているだけなのではないかと思うのです。
実際、ポケモン図鑑の記述にも「弱ったふり」・「死んだふり」という記述が見られます(画像2,5)。
その逆に、「お寿司に擬態している」とは全く書かれていません。
そもそも、お寿司のネタは基本的に 切り身の状態に調理されて出されるはずですが、シャリタツは尾やヒレがはっきり確認できます。
この点も、シャリタツがお寿司に擬態しているわけではないと考えられる根拠になっていると思います。
また、これは余計に憶測に過ぎませんが……。
そもそも擬態ではなく単に「弱ったふり」や「死んだふり」であるものを、擬態だと誤解されている(もしくは誤解されていた)可能性さえも考えられるように思えます。
もしも「擬態」と見るか「死んだふり」と見るかで見解がわかれているとすれば、前述の「体の色や 模様の 違いは おびき寄せる 獲物の 好みに 合わせて 変化した 結果らしい」の「らしい」という図鑑の表現にも、より意図があるように思えてきますね。
結論②
3.のど袋の意義
シャリタツが擬態している時、シャリのように見える白い部分。
あれは、シャリタツの のど袋らしいのですが……。
シャリタツがもし本当にお寿司に擬態しているわけではない場合、なぜ擬態時にわざわざのど袋を膨らませるのか、という新たな疑問が生まれると思います。
これは恐らく、「上空から見つけやすくなるから」ではないかと私は思います。
この記事で使用するため、オージャの湖に訪れてシャリタツの写真を撮っていた時に気づいたのですが……。
シャリタツの擬態が見られる小島には、草がたくさん生えています。
この草のお陰で、私は擬態するシャリタツを撮影するのにだいぶ苦労しました(写真 4,5,6)。
体の小さなシャリタツは、横からだと簡単に草に隠れてしまうのです。
もちろん、獲物である鳥ポケモンは、前述の通り上空からシャリタツを見つける場合が主だと思うので、鮮やかな色合いのシャリタツはかなり見つかりやすいだろうなとは思うのですが。
それでも、少しでも見つかりやすくなるために、大きく膨らませたのど袋の上に体を乗せているのではないかと推測しています。
結論③
4.鳴き声の理由
むすび
いかがだったでしょうか?
Twitterなどを見ると、シャリタツがネタとして楽しまれていたり、とても愛されていることがうかがえて喜ばしいのですが。
私のような説を唱えている方が思いのほか見当たらなかったので、こんな記事を書いてみました。
拙い文章だったと思いますが、少しでも楽しんで頂けていたならば幸いです。
読んで下さり、ありがとうございます。
不快でしたら、申し訳ございません。
皆様とポケモンの行く末が、楽しいものでありますように――。
P.S.
水辺でよく発達したのど袋を利用するドラゴンポケモンという共通点から、コライドン(●●●●●・●●●●●)と近縁種なのではないか。
なんて憶測まみれの仮説も唱えていたりします。
まあ、偶然の一致という可能性も大いにあるとは思いますが。ウミディグダやノノクラゲのように……。
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技に関して気になるのは、なぜ卵技で「こうそくスピン」を覚えるのか。
レベル技で「ミラーコート」、卵技で「カウンター」を覚えるのも、少し不思議。
ポケモンが相手ではないが、共生という意味ではあちらも同じか。
それくらいなので、こじつけと言えばこじつけ……。