My vintage

○お下がり文化

僕には10歳離れた弟がいて、
お下がり文化の恩恵を受けていない。

小さい頃には周りの友達が
兄や姉の洋服を使っているのを見てきて
どこか羨ましかった覚えがある。

新しいモノの価値は言うまでもないが
使い古されたモノもそれはそれで良い。

革製品やデニム類が
よく「味が出る」とか「育てる」みたいに
経年変化することをロマンとして捉えること多い。

革製品は育て切ったことないし、
デニムも何も気にせず洗濯してしまうズボラな僕でも
唯一愛でているお下がり品がある。

“アクセサリー”だ。

○シワシワの手に馴染んだリングに憧れて

学生時代のバイブルであった
POPEYEの「How to be a MAN」
という特集に
“さりげなく指輪をつける“という
記述があった。

「大人になるには指輪が必要なのか!」と
就職して銀座のアンティークモールで
指輪を仕立てたのを思い出した。

そんな大人の男性たちは
手に皺が入り、指輪に細かい傷が入っている。

何かの記念で買ったブランド品
旅行先で見つけた安価なモノまで様々だ。

そんなリングの付け方に憧れて
アクセサリーはヴィンテージのモノに
惹かれてしまう。

・銀座の「OLD&NEW」で
イニシャルを掘ったピンキーリング

・世田谷ボロ市と代官山蚤の市で知り合った「c’est la vier br antiques」のタンクリングとラルフローレンのリング

・軽井沢の旧軽銀座商店街の路地を入ったところにあるインディージュエリー屋で買ったピンキーリングの重ね(こちらのみ新品)

・譲り受けたエルメスのブレスレット

どれも素敵な場所での出会いや
素敵な方との出会いから
僕の手元に巡り巡ってきた子達だ。

僕の手がシワシワになるまで
是非とも手元に置いておきたい。

○銀座の師匠
「OLD&NEW」の店主には
色々と教えてもらった。

ジャケットの着こなしや装飾品のHow toまで。

「女性は煌びやかにしてもいいが男性は淑やかにいくんだぞ。あくまでも主役は女性だからな。」

とさりげないピンキーリングを
仕立ててくれた。

それから
何個か増やして派手目なのも付けてしまうが
いつかは本当に気に入ったものだけを
纏って自分のスタイルを
見つけられるようにしたいな。


※注
『POPEYE 799』11月号より

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