![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35842902/rectangle_large_type_2_dcfa85d0c0ac99006b817dad811dd5f0.jpg?width=1200)
東証の会見に見る、謝罪会見のベストプラクティスとは
2020年10月1日に起きた東証のシステム障害の記者会見を見ながら書いています。色々な意見あると思いますが、すごく的確に対応できているなと感じました。
会見は下記でご覧頂けます。
記者会見(特にネガティブな)って各所で多種多様実施されていますが、この会見から学ぶベストプラクティスがたくさんあるなと思ったので、まとめておきます。
役割分担が大事
恐らく事前にしっかりと役割を明確にしていたと思います。グダグダな会見は質問に対して誰が回答するか決められず譲り合いが発生する事が多いですが、今回は指名のない質問に対しても大体間髪入れず回答をしています。誰かが言い澱んだりした時もすぐに他の人がフォローしていて素晴らしい。
TOP: 社長
参謀: 取引所・IT・法務
の役割分担が聞いている人にも分かりやすくて納得感がありました。特にシステム周りはCIOの横山さんがシステム全体をしっかりと把握していて素晴らしかったです。社長だけ出てきて、回答は後ほどという会見もたくさんあるけど、謝るだけど会見に納得感はないですからね。
非を認めつつ、改善計画を述べる
なぜ起こったかを現状分かっている範囲で明確にし謝罪する。そしてそれに対してのこれまでの取り組みといつまでにどう復旧させるのか、障害の再発防止に対してどう取り組むかをしっかりと説明できていたので分かりやすかったです。
あと、こういう会見でよくあるのが、責任の所在を他社に押しつける。今回に関しては機器ベンダーの富士通に責任を擦りつけてもおかしくないのですが、"損害賠償に関しては現状考えていない" と社長が言われていたのですごく好印象でした。これは富士通が東証のお客さん(取引所に上場しているという意味で)というのもあるのかもですが。
曖昧な事を言わない
時系列に沿ってしっかりと説明されていましたが、現状把握できていない部分ももちろんあるようでした。そこで適当な回答をせず、分からない事は分からないとしっかりと言う。そしていつまでに回答すると伝える。これは営業とかと同じですね。曖昧な回答は自信の無さがすぐにわかるので不信感を抱かれやすいですし、後々揚げ足とりのネタになりやすいので危険です。
細かい点としては
- 質問者をしっかりと見て話す
- 悲壮感を出しつつ、断言できる部分はしっかりと言い切る
- イライラしない
- 専門用語も一般的に分かりやすい用語になるべく言い換える
とかが徹底されていてよかったです。
こういった不慮の事故や事件は発生しうるので、責任者の方々は明日は我が身として見た方が良いなと思ってます。今回の会見は個人的にしっかりとシステマチックに組み立てられていて素晴らしいなと思ったのでまとめてみました。
追記
残念な事に記者の方によっては、リテラシーの問題で理解できてなさそうなので、記事としては批判一辺倒になる可能性あるだろうなと。で、その記事だけ見た人は批判しそうなのでそこまでケアするのは結構難しいですね。質問時に所属を名乗ってるのでそのメディアのレピュテーションは下がるだろうけど。
メディアは最低限、
- その分野についてある程度知識がある人を送る (今回は東証&システム障害なので取引所やITに関して)
- 前の人がした質問と同じ質問を繰り返さない
を徹底するだけで、会見する側も視聴者もイライラせずハッピーだと思います。
↓このポストについてポッドキャストで話しました。