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オーストリアのスキー場で靭帯断裂した話
オーストリアの標高3000メートル級で氷河スキー
ヨーロッパでの長い暗い冬を乗り切るために去年本格的に始めたスキー
今年は雪も少なく、ミュンヘンから比較的近く標高の高いHintertux Gletcherでスキー旅行をすることにした。
天気は快晴、宙に舞う雪が太陽で照らされ、綺麗なダイヤモンドダスト。山頂から見る雪化粧をしたアルプスを見るのは山好きの私にもたまらなかった。このスキー場はスロープの幅も広く、初心者から上級者まで皆楽しめるスキー場で多くの家族連れで賑わっていた。
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去年と比べるとかなり上達し、赤いスロープも難なくこなせるようになってきた午後15時。赤いスロープから出ているFun Parkという障害物や、少し変わったスロープのあるコースに挑戦した。午後になり雪の質も少し落ちてきているところで、凸凹につまづき転倒、と同時に不穏な音が体に響いた。
「あ、やってしまったな。」
何やら嫌な予感がした。バレエをやっていた時に同僚のダンサーが健や靭帯を切る現場に居合わせたことがあり、なんとなく聞いたことのある音だったことは判断できた。
動揺してたのもあり、痛みはそこまで感じなかったものの、自力で立ち上がることはできなかった。すぐ後ろから滑ってきたおじさまに助けてもらい、すぐさま救助を呼んでもらった。痛みはそこまで無かったが、膝のグラグラ感から体重は怖くてかけられなかった。
スノーモービルで下の駅まで運んでもらい、救急車を呼ぶか、それとも自分で病院にいくか?と尋ねられた。痛みはあったけど、耐えれそうだったから自力で行くと返答。(でもすぐさま救急車を呼んでもらうことをおすすめする。私も後に救急車に乗ることになる。)
旦那さんと友達に来てもらい私と旦那さんでとりあえず下山。スキーのレンタル関連は友達に任せることに。山の人はみんな怪我に慣れているおかげかテキパキ作業をしてくれた。ドキュメントのためになぜ事故に遭ったのか、住所名前も聞かれた。
麓の駅まで着いたところで自力で病院までいくことの大変さを実感。
膝のぐらつきもあり、腫れも出てきたのでやはり救急車を、お願いすることに。メディカルルームに運ばれて(たくさんの可哀想にという視線を浴びながら笑)救急隊員を、待機。ドイツ語の通じるオーストリアだったのが不幸中の幸いだった。みんな英語もできるけど、やはりドイツ語の方がコミュニケーション取りやすいらしく私がドイツ語を話せることを伝えるとなんだか皆嬉しそうだった。
救急車で病院に搬送
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救急で対応してくれる病院へ搬送とは言っても大きな総合病院ではなく、町のお医者さん的な診療所。広大な自然が人々をそうさせるのか、みんなおおらかでリラックスして働いているように見えた。1時間ほど待ち、触診とレントゲンの番が来た。レントゲンで骨には異常がないことが伝えられた。触診では靭帯がストレッチされてるか、ダメージを受けているのか、それとも切れてるか、でもMRIを取らないとなんとも言えないと言われた。ミュンヘンに帰ってから病院いくか、それともオーストリアで行くかどうするか聞かれ、相当迷ったが、オーストリアなら近くのスポーツクリニックに明日MRI予約が取れると聞き、じゃあオーストリアでやってしまおうと決意。(保険が効くかもと言われたのも大きい。ちなみに保険が効かない場合は、一回のMRIで1000ユーロほどかかるらしい。)ドイツの保険に大感謝!
その日は脚を動かさないためのギブス、クラッチ、血栓ができないための自分で打つ注射、イブプロフェン600mgをもらい帰宅。
その日の夜はひたすら膝を冷やして過ごした。痛み止めのおかげか耐えられる痛みだった。そして幸いにも次の日の朝にMRIの予約がとれた。
断裂かそれともオーバストレッチか、手術になるのか、ギブスだけなのか。完全に切れている場合はそこまで痛くないこともあるとどこかで聞いたこともあって、もしかしから完全に切れているのか?色々な不安や考えが頭をぐるぐるしていたが、その日は相当疲れのもあったのか、旦那さんがずっと横についていてくれたのもありぐっすり睡眠することができた。
つづく。