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北窯30年
少し前のことになりますが、
沖縄、読谷山焼北窯の30周年記念式典に参加する機会をいただきました。
読谷山焼北窯とは、松田米司さん・松田共司さん・宮城正享さん・與那原正守さんによって、1992年に共同窯として開窯した窯で、13連房という巨大な登り窯で普段使いの沖縄の焼き物を作り続けています。
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融民藝店を開業した小林融子さんは元々沖縄の名工、金城次郎氏と交流があり、次郎さんから「楽しみな若い作り手がいる」と言われたことからご縁が始まったようです。沖縄までの道中、ゆっくり無理せずというペースでしたが、北窯に着くと足取り軽く色々みて回られていました。
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親方たちからすると、岡山はとても思い入れがあるということでした。
北窯を始めるにあたり、岡山県民藝振興株式会社の先代社長杉岡泰氏、岡山県民藝協会の勧めと援助で、岡山や山陰の窯を巡り学ぶ機会を得たそうです。さらには岡山県民藝振興株式会社の番頭も務めた小柳晃氏の推薦もあり、倉敷民藝館賞も受賞しています。そして融民藝店ではこの北窯の展示会を長く続けてこられました。
北窯の親方たちの凄さとして、昔ながらの沖縄の焼き物づくりを30年続けてきたことはもちろんですが、多くの弟子を育成してきたことです。
会場でもお会いできた、からや窯の登川均さん、のはら屋の佐々木かおりさん、他多くの卒業生が全国で活躍されています。そして卒業された方、今いるお弟子さん含め、みんなの北窯愛を強く感じます。
当日の会場の準備、運営、親方もお弟子さんたちも和やかに楽しく、ここにこそ北窯の30年の大きな意味を感じました。
単に沖縄の焼き物を作るだけでなく、働く人、使ってくれる人、支えてくれる人たちとの良質な関係を長く作り続けています。
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壺屋の北で始めたから北窯。読谷山焼というけれど、土、窯の薪から全工程を自分たちで行う壺屋焼の伝統を引き継いでいます。
「30年を迎えて67歳になりやっと少しだけ上手くなってきた。沖縄の美しい焼き物をどんどん作りたい。」とまだまだ意欲的におっしゃっていた松田米司親方。息子さんの健悟さんという頼もしい存在と共に、これからの北窯も楽しみでなりません。
そして、小林さんと親方のように自分も、長く繋がりを持てる作り手との関係を作っていけたらと改めて感じた沖縄となりました。
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