フランスで猫を保護して見えたこと モミジモナムール2
投稿を見にきていただきありがとうございます。
この投稿は、2022年12月18日に虹の橋を渡った我が愛猫モミジの
ことを記録的に書いて行くシリーズです。
モミジ(以下モミ)はヨーロピアンミックスの全身グレーの雄猫で、フランス郊外の自宅近辺で保護して以来、家族として一緒に暮らしてきました。
私自身、モミが亡くなってからの喪失感と落ち込みがかなりなもので、一月は全然体も動かせないような状況でした。ですが、これを少しでも何か形にして、私たちの愛の記録を文字や形に残すことで、私自身も前を向いていけるようになること、そしてこれを読んでくださる方に保護猫、シニア猫と暮らすことについてほんの一部ではありますが、知っていただけたらという思いではじめてみました。マイペース更新となるとは思いますが、よろしければフォローして、今後も読んでくださったら嬉しく思います。
モミジを保護した経緯について
2017年秋でした。
私は滞在許可証の更新のため、日本でいう県立、都立にあたる警察署
(こちらでは免許証の更新や滞在許可、身分の変更、更新の届けなどは皆警察署へ。わたしは外国人国籍なので滞在許可を2年ごとに更新しなければならない)へ行った帰りでした。
確か人通りの少ない午後早い時間帯だったと思います。
時期は9月末頃。
毎回、早朝からの立ったままの人待ちや、どんな質問にも答えようと色々頭に詰め込んでストレスを溜めてしまう更新儀礼なので、この日も例に漏れず帰り道は疲れてぼーっと歩いていたに違いありません。
その時はいつもはあまり歩かない、警察署の裏手に当たる住宅街のわき道を歩いて帰宅する途中で、最初にモミを見かけました。
この辺りは、外出を自由にしている飼い猫が多く、首輪もしていたり、していなかったりでまちまち。
モミも最初の一瞬は飼われている猫なのかな、と思いましたが、
ただ、妙に何かが気になりました。
何が、といわれるとはっきり言葉にできないのですが、その姿形、私をみても警戒したり逃げたりはしないことなど、(けれど、とてもフレンドリーというわけでもない)私は猫好きなので、近所を歩いている猫の姿や特徴などある程度知っているつもりでしたが、この子は初めて見る子でした。
初対面、のことをフランス語ではプルミエアンコントロルと言いますが、
私はモミに強いシンパシーのようなものを感じました。
(その時に撮った写真が一枚あるはずなので、また追々載せていきたいと思います)
そして、一度書きましたが、なぜかとても気になったのです。
首輪はなく、目の周りのあたりの体毛が薄くて、皮膚が透けて見えていましたが、本人はいたって元気な様子で、アパートの外階段を登って奥の方に行ってしまいました。
この日から私は、どうしてもこの子の安全を確認したくて、1日1−2回はそこを巡回して見に行くようになり、次の日からはスーパーで購入した猫用パウチとお皿を持参し様子を見に行くようになりました。
モミはその辺りが縄張りだったのか、大抵出会った場所からそう遠くないところにうろうろしていて、数日して私のことを認識するようになってきていました。
数日後に気がついたことです。
私の他にも、どなたかモミのことを気にしていたらしく、ウェットフードを出したであろう紙皿やコップ、ペットケージに毛布などが敷いて階段の陰に置いてありました。
そこで、私の中ではこの子は現在外猫なのだろうという認識が強まります。
これは全く私の主観なのですが、モミには何か縁があったのだろうかと思うような惹きつけられる要素がありました。
それまでわたしは猫に対して、愛着以外のそのような強い感情を感じたことはありませんでしたので、その時は半ば使命感のような、でも会いたい、どうしているんだろう、という強い気持ちで毎日モミに会いに行っていました。
そして10月に入り、陽はどんどん短くなっていきました。
その年は、冬はとても寒くなるだろうという予想がでていて、
9月末時点でだいぶ冷え込みを感じていたと記憶しています。
私は、内心焦りを感じ始めました。
この子は、冬はどうするのだろう?
あの小さなケージで眠るのだろうか?
ずっと外にいて危なくないのだろうか?
誰かの家で眠ることや暖をとることはできるのだろうか?
そんなことを想像しているだけで、いたたまれないような気持ちになりました。
こんな小さな子が、いつもここにいて、ご飯を人にもらって、
ご飯をもらえない日はどうするのだろう?
冬に獲物なんて獲れるのか?
そんな考えを巡らしながらも、
もしかするとこの子は、誰かのうちで飼われている子かもしれないよね?
という希望のような思いもどこかにあったのです。
でも、こんなに痩せていて?
毛並みは悪くはないけれど、目の周りの毛が薄いことや、
食べる時に首を傾けることなども気になりました。
ただ、この子が住み処としていたこの辺りのお家は、完全にオートロックで外からコンタクトを取ることができないアパートでした。
そうでなかったら、この時点でこのアパートの住人の誰かに私はこの猫が
飼い猫であるかどうか知りたい旨を直接尋ねて回っていたでしょう。
どうしたらいいんだろう・・・
時々置いてあるウェットフードの主の方ともすれ違うことはなく、この辺りにあまり人が立ち止まることはありませんでした。
当時は保護猫団体なども知らなかったので、誰にも言えずに毎日悶々とした数日を過ごしました。
そのまま二の足を踏んだ状態で、1週間ほど過ぎた頃だったでしょうか。
ある夕方、ウェットフードのパウチを持っていつものようにモミに会いにでかけました。
案の定、アパートの外階段の下の陰のところに隠れていたモミは、私を認識するとそろそろと出てきました。
怖がるということはなく、甘えることもありませんでしたが、とてもシンプルでストレートに会いにきてくれたの?というような感じでした。
そして私がまずは腹ごしらえをと紙皿にパウチを出したときです。
モミが空のパウチを持つ私の手に、頬ずりしてきたのです。
食べる前でしたから、まるで、ご飯をくれてありがとう、お腹空いていたんだ、といっているかのように、スリッとしました。
私はその様子に稲妻が墜ちたような衝撃を受けました。
(ドラマだったらここでドーン、と効果音が鳴るほどの衝撃でした)
お腹が空いているであろう外猫のこの子が、食べる前にありがとう、というような挨拶をする姿に、胸が打たれ、そして一杯になりました。
そしていろんな考えが一気に頭を駆け巡りました。
この子を・・・なんとかしなきゃいけない。
このままではいけない。
今月末にはもっと冷え込んで行くことは目に見えていましたし、
外で夜を過ごすことはとても危険だと思いました。
この時期のフランスは、あっという間に日が落ち、冬への移行がとても早いのです。
ご飯をあげているだけでは、何も解決にならない・・・
でもどうしたらこの子を助けられるのだろう?
第一助けて欲しいのかどうかもわからないじゃないか。
大迷いに迷い、悩みました。
そして、ついに10月の2週目に入るある日に、あることを決行しました。
***次回に続きます
注記 当時私は、外猫に対する知識が薄く、どのように対処すべきかということなどを全く知りませんでした。
外にいる子に安易に食べ物をあげて良いかどうかなどについて今では以前よりも考える材料が増え、ケースバイケースだということを学びましたが、この時は自分の中の警報機が鳴った、というような状態でした。
また、今日のカバー写真のモミは、闘病中のものです。もっとたくさん写真はあるのですが、まだ辛くて整理できていません。
こちらも少しずつ、あげさせていただこうと思っています。
最後まで読んでいただき、どうも有難うございました。
今保護猫さんを飼っていらっしゃる方。
看病されておられる方。
シニア猫さんがいらっしゃったり、まだ若いけれどいつかはシニアに、という方。
喪失経験で辛い最中を通っておられる方。
どれにもまったく当てはまらないけど興味で見てくださっている方。
よければ気軽にコメント残してください。
この場所が、誰かにとって少しでも暖かい気持ちになれるような場所だったらという願いを込めて今日はここで終わりにします。
世界中の猫が幸せでありますように。
そしてすべての生き物も・・・
また次回も宜しくお願いします。