プール冷えてます
としまえんの広告には、昭和57年頃から、株式会社博報堂が関わるようになったようで、有名クリエイターにより広告史に名を残す数多くの名作が生み出されました。
中でも、昭和61年の『プール冷えてます』は広告界の賞を総なめ。
「ビール、冷えてます」をもじった「プール、冷えてます」という夏の暑い日に思わずプールに行きたいくなる一言に来場者数は倍増したとか。
当時の人々の記憶にはそのキャッチフレーズが強く焼きつけられたみたいです。
その他にも、『史上最低の遊園地』、『練馬の底力』といった自虐的なものから『みんなが遊等生』やロダンの写真を使用した『考える遊園地』など洒落のきいた広告が次々と生み出されます。
個人的には、2007年の『夢をのせて、100年』という回転木馬、カルーセル・エルドラドの生誕100周年を記念して作られたポスターを見て思うところがあります。
というのも、閉園がせまった2018年、遊園地のレトロな雰囲気と回転木馬に着想を得て、『カルーセル・エルドラド』というタイトルの楽曲を作りリリースしたからです。
僕も度々遊びに来ていた思い入れのある遊園地だっただけに閉園されると聞いたときにはショックでした。
アーティストとしてどうにか記憶を形に残したいなと思い、ノスタルジックをテーマに詞を書き、JOMI.Kが曲をつけたこの作品は、恐れ多くもとしま園のテーマソングになったら良いなと半ば本気で製作しました(笑)
現在は2021年にリリースさせて頂いたアルバム「A Romantic Breath」の3曲目に収録されています。
また、同アルバムに収録されている『MORE THAN EVER』のMVは同年、としま園で撮影。
カルーセル・エルドラドにも実際に乗って撮影を行いましたので、今見ると非常に懐かしいかと思います。
世界最古級の回転木馬、カルーセル・エルドラド、そして94年間の歴史に幕を閉じた、としま園をモチーフに作品を作り、残せたことはアーティースト冥利に尽きると同時に感謝の気持ちでいっぱいです。
ちなみに、としま園の跡地はハリーポッター体験型施設に生まれ変わるそうです。
オープンは2023年予定。待ち遠しい…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?