夏の甲子園もなけなわ
第104回夏の全国高校野球もたけなわ。
高校球児たちによる熱戦が、連日繰り広げられています。
僕の部屋にも毎日、画面の向こうから吹奏楽団の演奏とメガホンの音、空気を切り裂くような打球音が鳴り響いています。
かくいう僕もかつては甲子園を夢みた高校球児。
聖地で試合することを目標に毎日辛い練習に耐えていました。
最後の夏、県大会で敗れた時は大きな喪失感を覚えて、しばらく何も手につかなかったのを記憶しています。
当時の僕は甲子園に出場することが唯一の道だと思っていたので、その道を立たれた瞬間の挫折感はかなり大きかった。
それ以来、数年間は、グローブやバットに触れることもなく、野球さえ見なくなりました。
そんな僕でしたが、大学へ進学し、ようやく新しい夢を持てるようになった頃、たまたま入った定食屋の小さいテレビに写し出されていた夏の甲子園大会を見て、懐かしさを覚えたのと同時に改めて野球の面白さ、それはプレーしていた当時と違い、おそらく肩の力が抜けて一歩引いた目で見られるようになった事で勝敗や技術的なところではなくて、野球そのもの魅力を感じることができるようになりました。
そして気がつけば毎年、春夏の高校野球は必ずチェックするようになりました。
今夏も3547校の頂点を決める戦いが幕開け。
初出場校、常連校、伝統校がそれぞれの目標を掲げて戦っています。
勝負事ですから、当然負けるチームもあれば勝ち進むチームもある。
勝って高らかに校歌を歌う姿と負けて膝をつき砂をかき集める姿が印象的な夏の甲子園。
高校球児の多くは少年野球からその野球人生をスタートさせるので、長い人で12年間。
その間はほぼ休みなく練習に試合に明け暮れる日々を送ります。
ゲームセットの瞬間、試合に敗れた球児は何を思っているのだとうと思うことがよくあります。
おそらく辛いことも楽しいこともひっくるめたこれまでの出来事や苦楽を共にした仲間、お世話になった人達の顔が走馬灯のように浮かんでいるのではないでしょうか。
負けた悔しさも入り混じっているでしょうが、多くの球児はここで野球人生にピリオドが打たれる訳ですから。
すべてを捧げて白球を追いかけた青春が幕を閉じる。そこには切ないほどの純粋さと清々しさがあります。
1秒でも長く、そして悔いのない青春を。
白球は今日も青空を舞っています。
2014年12月25日リリースのシングル『グランドスラム』
アルバム『Colors of a dream (2018 REMASTERED EDITION)』にも収録されております。
良かったら是非、チェックしてください!
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