第1回❐2023年3月14日記
新型コロナウイルスが,2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢で最初に確認されてから3年3か月が経過した。
2020年1月30日には,世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言,その後世界的な感染拡大の状況や重症度から「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を,2009年の新型インフルエンザ以来11年ぶりにパンデミック(pandemic:語源はギリシア語のパン〘=すべて〙デミア〘=人々〙)とみなせると表明するに至る。
そして現在,全世界での感染者の合計数は7億人に迫り,合計死亡者数もおよそ700万人を数えるまでとなったようだが,新型コロナウイルスのパンデミックは,感染流行した多くの国々の政治的・経済的状況にも大きな影響を与えることとなる。
感染拡大による経済危機はコロナショックと呼ばれたが,その本質は,まず対面コミュニケーションが制限されたこと,多くの国々で感染の抑制を目的とした渡航制限や外出制限等が実施され人的往来が著しく減少したこと,そして国内においても人流や物流が大幅に制限されたことに拠る。
人の移動の停滞によって生産活動や物流が滞り,物資の不足が生じたり,サプライチェーンの途絶も発生した。また,ロックダウン(都市封鎖)や自粛要請に伴って,レジャーサービスや飲食業等も営業停止を余儀なくされ,需要面からの経済停滞を惹起することになったのである。
このように,世界は3年余にわたって新型コロナウイルスに翻弄され続けてきたわけだが,それでは一体このウイルスとは如何なるものであったのだろうか?
コロナ発生以来,あちらこちらで俄ウイルス学が飛び交っていたけれど,ここではとくに筆者が興味を惹かれた面白知見に少しだけふれておきたい。
【筆者注:宇宙全体の星の数の推計は10の22乗個と言われているので,世界の海にいるウイルスの数はその10億倍にもなる】