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『MIZZ先生がイラストたっぷりで教える〈便秘〉からの脱出』の著者 MIZZ先生こと”みずかみよしのり”が 渋谷道玄坂百軒店伝説のロック喫茶『ブラックホーク』を語り尽くします

Episode15  《酒乱団》の“酒乱”宴とチームの終焉



《酒乱団》の宴会風景

 すっかり勢いづいた《酒乱団》は,『ブラックホーク』や『HAWKER HOUSE』『HAWKER VILLAGE』で夜毎さすらう日本製粉&昭和産業サッカー部の酔客連ともすっかり意気投合。「じゃあウチのチームとやるか!」てな具合でボルテージも上がり,ついには「粉屋リーグ」なるものを立ち上げ,春・秋のリーグ戦を戦うまでとなっていったのでした。
 その後,三越日本橋本店,日本ブチルなどの有名企業サッカー部・同好会との親善試合や,目黒区サッカー協会リーグ戦に参加するなど活躍の場を広げていきまして,時には高揚し,時には鎮静しを繰り返しながら,十年余活動が続いていくことになります。
 
 ここで特筆されるは,抱腹絶倒悶絶モノの《酒乱団》の宴であります。
 そもそもが,サッカーよりもゲームの反省会と言いますか懇親会と言いますか,“夜”の「第二部」のほうを大いに愉しみたい面々,一芸どころか数芸かましたいという御仁ばかりですから,まさに団名そのままの飲酒作法?での大盛り上がり大会となるわけです。
 玄人はだしの甘くのびやかな美声を響かせるIさんのムード歌謡などはほんの序の口で,一発芸だけを15分間にわたって何発も打ち上げるMさん,訳のわからん数え唄を延々歌い続けるSさん,ゾウさん歌を一頭から30頭までつなげてしまうKさんなど多士済々。かく言う私=MIZZも,Hさん十八番の『津軽海峡冬景色』にのせて華麗に舞い踊ってしまうといった具合。
 もちろん,その間メンバーは一人の脱落者を出すことなく,ひたすらダラダラと際限なく酌み交わし続けるのです。
 そんな愛すべき《酒乱団》ではありましたが,発足時のメンバーが一人去り,二人去り,小島団長が多忙を極めた時期とも重なったりで,残念なことに80年半ば頃には自然消滅の形で終焉を迎えることと相成りました。

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