
大学時代の同期が教えてくれた「挨拶」の意味。
前回のブログで、
「フットボールは決して、1人でプレーするなんてことを許さないスポーツ」
そして
「フットボールは、『社会の縮図』」
だとお伝えしました。
この記事を読めてない方は、ここから進んでくれると、
フットボールへの理解がまた少し深まるかなと思います。
この中で、
「勝つための関係性を築け、その関係性の築き方を知れ、
だから、選手同時で『挨拶』をしてほしい」
と伝えました。
いつも僕がアカデミーの選手たちに伝えている挨拶の意味。
そこには、僕の人生の中で、「挨拶」というものを納得し、感動するほどの意味づけしてくれた、とあるエピソードがあります。
界隈では非常に有名になった話で、
こんな僕がまた話題にしていいエピソードかはわかりませんが、
どうか、我々のアカデミーのみならず、アカデミーの枠を超えて、
僕が住むこの町、宮崎で少しでも、これが「文化」として根付いてほしいと、
ただただ願っていて、
きっと、宮崎のフットボールを強くし、フットボールに関わる人たちを豊かにするものだと思っているからです。
【エピソード↓↓↓】
僕が、大学3年生の時でした。
ある日のトレーニングが終わり、監督・選手・スタッフ、全員が集まって、トレーニングの締めを行い、終わりの挨拶をする直前、
「ちょっと(お時間)いいですか?」
と、1人の同期が、その場を止めて、話し始めました。
「最近、気になっていることがあります。
それは挨拶について。
大抵、後輩の部員達が、先に挨拶しています。それ自体、僕はおかしなことだと思いますが、
後輩が挨拶をしているのにも関わらず、挨拶を返さない先輩の部員が非常に多い。
声も出さず薄い反応、ましてや気づいているのに反応すらしない。
そして、その返答が一番できていないのは、
監督、あなたですよ。
チームのトップであろう人間がそんなことで、チームを牽引する先輩部員がそんなことで、
僕たちは「日本をリードする」本物の集団になれるんですか。
「挨拶」は、コミュニケーションを成り立たせる最初の導入を担うもので、
コミュニケーションの導入でつまづいている自分達に、
ピッチ内外の課題を解決する議論を生み出せる「風通しの良い組織」になれるんですか?先輩であろうが、後輩であろうが、スタッフであろうが、
気づいた方から「挨拶」をする。コミュニケーションを図る。それがホンモノの組織であると僕は思います。以上です。」
考えさせられる前に、
まず、引き込まれ、自分が所属する組織にこんな人間がいることを誇りに思うと同時に、自分という存在が小さく思えました。
なんて「人間臭い」んだろう、と。
この日から、チーム内の「挨拶」の意識が大きく変わりました。
間違いなく、チーム内のコミュニケーションの量も、質も、
変革を遂げました。
【エピソード終わり↑↑↑】
これが、僕に「挨拶」の意味を教えてくれたエピソードであり、人生の中で大切にしたいものです。
(このエピソードや、これを述べた彼へのリスペクトも相まって)
これは、間違いなく、僕自身のキャリアに生かされました。
特に、海外でプレーした時に。
先に挨拶してみる。
自分は誰で、どこからきたか。
早いタイミングで、「下ネタ」をかます、笑
(下ネタは、英語を超える共通言語ですから。)
僕なりの「挨拶」を、彼らにぶつけてみることで、
「外国人は、意外とすぐ笑う」ことに気づき、
少し笑わせては、「面白いアジア人」だと、認識させ、
プレーしてみて、「ただの面白いやつじゃない」と印象付けてられたら、
勝ち。また、信頼を勝ちとって、また会話が増える。
確かに、
「挨拶」はこれだけの意味ではありません。
終わりの挨拶(さようなら)
何かをしてもらった後の感謝の挨拶(ありがとう)
など、
挨拶が常に、冒頭に起こるものではありません。
しかし、この「挨拶」をすることで
早い段階で、「関係性を築く」ことができれば、
終わりの挨拶も、感謝の挨拶も、
よりスムーズに、そして相応の意味をちゃんと持って行うことができるんじゃないかということ、
それは、「社会」において、
「社会の縮図」であるフットボールにおいて、
問題解決をもたらす強烈な「マンパワーの総和」を大きくさせることができるはずです。
そういった意味で、僕は選手に
「君達なりの挨拶」をすること、
何でもいい、砕けた言葉でもいいから、「挨拶」をすること
を伝えています。
彼が教えてくれた「挨拶」は、
宮崎フットボールをより強くする
宮崎の文化をより豊かにする、
そして、僕らが掲げた「生涯フットボールの追求」という
ビジョンを達成するための、
最高にして最小単位だと思うのです。
そんな「彼」は、今も「彼らしく」、
僕がリスペクトしたあのままの姿で、奮闘しています。
(たまに落ち込んだ時に、これみてます。)
↓
【3回戦vs #浦和レッズ】
— ザスパクサツ群馬 (@OfficialThespa) June 22, 2022
ロッカーアウトしました!
今日も変わらず全員で🔥#天皇杯 #thespa#everonward pic.twitter.com/YMM78hu2HZ
(ザスパクサツ群馬 公式ツイッターより引用)