冷蔵庫がピーピー鳴いているのは
夕飯を終え、でもなんだか小腹が物足りないと言っている。
子どもの手前、堂々とはできないから、こっそり冷蔵庫を開け、手頃なおやつを出し、そっと閉める。
キッチンの片隅で秘密のおやつを口に入れたその時、冷蔵庫がピーピーと鳴いた。
一斉に注がれる家族の視線。
そっと閉めるのがそっとすぎて甘かった。
慌てて閉めにいく。
「あ〜!なんかお菓子食べてる〜!」という子の声…
しまった!秘密のおやつがバレた!
「あ、いやいや、あの、これは…」
〜〜〜〜
なんてエピソードはどうでもいいんですけど、冷蔵庫って、扉が一定時間以上開いていると警告音が鳴るじゃないですか。
エピソードのようなうっかりの時はいいんですけど、買い出しした食材を収めている時なんかは、ちょっと「うっせぇわ」と思ってAdoになっちゃいますよね。
なりませんか?そうですか。
ま、私はちょっとなるんです。Adoに。
それって、冷蔵庫の警告音を
「ドア開いてるぞ、ゴルァ!」
って読み取ってるからなんですよね。
だから、食材の収納の際なんかは
「うっせぇわ!あなたが思うよりわかってます!」
って思っちゃうんですね。
多分、そんな時は心が疲れてるんだな。
(うっかりの時は「ごめんなさいごめんなさい(早口)」ってなりますけど)
ところが、ある時、ふと考えが変わったんですよね。
これは冷蔵庫の気遣いなんじゃないか。
「あの、扉開いてますけど、大丈夫ですか?」
冷蔵庫には扉が開いているという事象しか読み取れない。
扉がずっと開いていれば、冷蔵冷凍が効かなくなるし、故障の原因にもなってしまう。
だから心配してくれているんだな、と、そんな風に思うようになったんです。
それからは、食材の収納で鳴っても
「大丈夫だよ〜、しまってる(収納してる)だけだよ〜」
って思えるようになりました。
冷蔵庫が怒ってると思ってたのが、冷蔵庫の思いやりに感じられるようになったんです。
心に余裕ができたのかな。
冷蔵庫を心のバロメーターにするのもどうかと思いますけど。
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