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黄色の帯、外から内へ【えきのほそ道】

市庁舎の置かれたる街の駅は北も南も乗合自動車の集積点にて栄えたり。

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徒歩(かち)にて進みたり。

線路に沿いたる細い道を進みて

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さらに細くなりたる道で、古き枕木を柵にしたるはあはれなり。

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突き当たりて

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学舎に沿いて通りになむ出づる。

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運動場の向こうに黄色の帯の走りたる。

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さらに進めば、二層になりたる巨きな道なむ渡りたる。されど下層の道は地中にて見えず。

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さらに進みて次なる駅に着きぬ。

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これより列車に揺られたる。

駅を出でて進めば

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線路は鉄橋にて

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境なる川を渡るに

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着きたる駅の前には雑然なれど活気ある街控えたり。

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さらに進むに、右手に線路の増えて、機関車、貨物の二つ三つと控えたるはあはれなり。

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着きたる目的の駅は装い替えむと騒々しけれど、

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街の芯たる屋根の道は賑わい衰えず。

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本八幡 ー 市川 ー 小岩 ー 新小岩

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黄色の帯はさらに東へ進みたり。

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駅名を路線図の通りに並べると「5・7・5」のリズムになることがある。
これを、マニアの間では「鉄道川柳」と呼ぶ。
「えきのほそ道」では、この「鉄道川柳」に雅の文もどきを添えて、更なる普及を図るものである。

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