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【レビュー】KOMEGUNY

曲名に付いているマークの説明

☆:抑えておくべき代表曲
★:抑えておくべきジェームス小野田の代表曲
◯:隠れたいい曲
●:クセがすごい

【概要】

1987年10月発売の3rdアルバム。
海外はアメリカ合衆国・ロサンゼルスのスタジオで収録したことにちなみ、アメリカ=米国(べいこく)→(読み方変えて)こめぐに→KOMEGUNYというネーミング。
帯に記されたフレーズは、「トンネルを抜けると、そこはKOMEGUNYだった…」

1.Only As A Friend

前奏から軽妙なサウンドが心地よい一曲。
テクノポップ風。

特別米米らしさはないが、普通にいい感じの曲。
言い換えれば、アルバムの一曲目らしい曲。

2.sûre dance ☆

米米初期の三大代表曲の一つ。

エロい。
卑猥な単語を使わずにここまでエロい歌が作れるのがすごい。
そしてエロかっこよく決めるカールスモーキー石井の圧倒的な歌唱力。

「sûre dance」は、ライブでも盛り上がる代表曲でありながら、セルフアレンジが多いことでも、ファンの間では有名。
米米ファンが5人も集まれば、どのアレンジが好きかだけで1時間は語り合える(はず)。

3.浪漫飛行 ☆

言わずと知れた代表曲。
米米CLUB初のスマッシュヒットをキメる曲だが、このアルバムに収録された時点ではまだ無名で、後に航空会社のCMソングに起用されてからシングルカットされてのスマッシュヒットとなる。

メンバーが口を揃えて「初めから航空会社のCMソングを狙った曲」と言うが、本気でそう思っていたかは、どうだろう。

解散→再結成後にアレンジされてからは、オリジナルが演奏される機会が激減しているが、初期の、そしてこの時代のいい音が詰まった名曲であることは変わりない。

4.Collection ●

サウンドとしては統一感のある流れで来て、うっかりいい曲に聴こえる。

いや、曲としては実際にいい。
カールスモーキー石井の歌唱力も如何なく発揮されている。

だが、歌詞が猟奇的である。
読み込めば読み込むほど背筋が凍る。

ヤバい奴だ!逃げろ!

5.Primitive Love

当時のアルバムは、カセットテープの収録や録音(コピー)を意識しており、半分で一区切りになる感じがある。

という意味では、この曲はA面の最後になるのだが、そこにジェームス小野田の曲を持ってくるのは初期米米の真骨頂かもしれない。

これも軽妙なサウンドで、伸びやかなジェームス小野田の歌声が美しい。

歌詞はヒドい(褒め言葉)。

なんだ、「広い空の真下でする行為」って。
「手足で伝える言葉に弓なりになってそれに答える」って…

え、エロいのか?これも⁉︎

なんか、そう捉えてしまう自分が変態なのかと心配になってきた。

6.Make Up

5曲目「Primitive Love」がA面の最後ということは、この曲はB面の最初ということになる。
このアルバムはこのサウンドでいくんだな、という感じがある。

芸能とかグラビアでスポットライトやフラッシュを浴びる人って、こんなこと言われてんのかな…って歌詞。

7.Misty Night

不思議な世界観でありながら、情景が美しくも儚い。

SF短編の世界を歌にしたような曲。

曲調と歌詞の雰囲気が釣り合う曲がここにきて流れる。

8.Hollywood Smile

タイトルの通り、ハリウッドのミュージカルショーのようなサウンド。

中身は…

「Make Up」のアンサーソングというか、対比な歌詞と言えば言えるか。

無駄にカッコいい。

9.Hutsle Blood

ジェームス小野田のソウルフルな歌声が響く。
なのに、なぜか若かりし頃の藤井隆の「HOT!HOT!」のネタが脳内に浮かぶ。

ジェームス小野田の曲が2曲入っているが、どちらも前面にらしさを出しているというより、アルバム全体の曲調に乗せてさりげなく主張しているという感じがする。
それでいてきちんと存在感を発揮しているのは、さすが米米のSOUL BROTHERである。

10.Twilight Heart

当時の米米の楽曲は、すべてにおいて「Written by 米米CLUB」であり、この曲もそうなのだが、実際にこの曲は作詞・作曲・歌のすべてがフラッシュ金子によるものだ。
CDに収録された唯一のフラッシュ金子ボーカルの歌である。

ここにきて、このアルバムがただの1枚の音楽アルバムではなく、アメリカのシアターで上演される、米米サウンドによる模擬ミュージカルライブショーを体現したものなのだと解釈するのには無理があるだろうか?

この曲が終わりに向かう中で、舞台の照明は一つ、また一つと落とされ、幕が静かに閉まる。

【まとめ】

アメリカで収録したというのが、当時のトレンドなのか、米米CLUBにとって特別な意味をもつのか、その辺は気になる。

サウンドが一貫してロック調で、軽妙。BO∅WYの雰囲気があると言えなくもないような気がしないでもない。
ある意味、当時流行りの”カッコいい”音楽を米米なりに取り入れて形にしたような感もある。

アルバム通して曲調に統一感がある一方で、米米にしか出せない世界観をいかんなく発揮しているのはさすが。
やはり、ある意味アメリカでのミュージカルショーであると言っておこう。

「SHARI-SHARITHM」「E・B・I・S」「SINGLES」を経て、少しずつアルバムで米米の世界観を表現できるようになってきたんでないか、と思わせる一枚。

一方で、ホーンセッション・BIG HORNS BEEの出番が少ない感じがする。
特徴である反面、少し物足りない気もする。


ジャケット

石井画伯によるアート作品

歌詞カードは一般的なブックタイプではなく、ポスタータイプで折り畳まれて挟まっている。

畳まれている「歌詞カード」
表?は歌詞
裏?はライブの写真

裏面(なのか?)がこれで一枚のポスターとして成り立つ仕上がり。

というか、こういうタイプの歌詞カードを、付録でなくCDに添えるアーティストって、他にいるんだろうか?

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