【レビュー】GO FUNK
曲名に付いているマークの説明
☆:抑えておくべき代表曲
★:抑えておくべきジェームス小野田の代表曲
◯:隠れたいい曲
●:クセがすごい
【概要】
1988年9月21日発売の4thアルバム。
始めて初回限定版(写真集封入特別仕様ジャケット)が作れられた。
また、初めてオリコン週間チャートで1位を獲得している。
アルバムのタイトルは「ご飯食う」をもじっている。
1.INTRODUCTION
オープニングアクト的なもの。
かすかな口笛とかすかな呼吸音が8秒流れるが、安物のCDラジカセだと無音に近い状態となり、まるで放送事故である。
さらに、聞こえないからと音を上げてしまうと、2曲目に入ったとたんに大音量となるというトラップもある。
たぶんそれも半分狙ってる(んじゃないかと疑う。やりかねん)
2.美熱少年 ★
言わずと知れたジェームス小野田のソウルフルな1曲。
歌詞カードには「美熱少年」が4回書いてあるだけだが、実際にはもっといろいろ歌ってるし叫んでる。
ライブではジェームス小野田の登場に使われることもある。
ジェームス小野田のシャウトに合わせて「ウォーウォーウォー!」と叫べれば、ライブが100倍楽しめる。
3.KOME KOME WAR ☆
アルバムに先立ってシングルで発売された曲にして、米米がメジャーへと駆け上がる段階における代表曲でもある。
とはいえ、歌詞カードを朗読するとわけわからん。
英語チックながら、歌詞はサビの「KOME KOME WAR」以外は全部カタカナ。
でも、このわけわからんけどカッコいいのにわけわからんというのは米米たらしさでもある。
中身もあるようでないようで…
セメテ-ヤメテの掛け合いもクセになる。
4.SEXY POWER
サウンドがカッコいい、それだけならだいぶクールな感じの1曲。
内容としては、「Paradice」にも通ずるものがある。
聞きようによっては、イケナイ道に女子を言葉巧みに引き込もうとする歌に聞こえなくもない。
この歌詞でカッコよく歌い切るカールスモーキー石井の歌唱力と表現力に感嘆する。
5.BEE BE BEAT
軽い男シリーズ。
同じカールスモーキー石井が歌っていることを疑ってしまうほど、曲調だけでなく歌声も違う。
その変幻自在ぶりもカールスモーキー石井の魅力。
そういう意味では、「SEXY POWER」から「BEE BE BEAT」という並び、流れは秀逸。
6.あ!あぶない! ●
ジェームス小野田のソウルフルな歌声が唸る一曲。
タイトルに違って全編英語刺だと思って聴いていたら、サビでひっくり返る。
あえてネタバレしないが、遊び心満載。
にもかかわらず、ジェームス小野田のソウルフルな歌声にはある種の説得力があるからすごい。中身がどうとか、もうどうでもよくなってしまう。
7.OH!米 GOD!
一応理っておくが、「オー!マイゴッド!」と読む。
アルバムに収録されているのは27秒の超小曲だが、ライブではエクステンドされてジェームス小野田の登場に使われることもある。
この曲をバッグにステージに降臨するジェームス小野田の姿は、まさに米米CLUBの神である。
わからない人のために補足しておくが、ジェームス小野田は米米のフロントマンだが、ライブでは初めから登場することはなく、クライマックスに神々しく登場するのがお約束である。
8.TIME STOP ○
アルバム発売の後にシングルカットされた曲。
AIWAのCMソングにも起用された。
ファンでないとあまり知らない曲かもしれないが、米米バラードでは5本の指に数えられる名曲と言って間違いない。
愛してやまないパートナーとの夜をしっとりと優しく愛情深く少しセクシーに歌い上げる。
そのままドラマになりそうなストーリーが、ホーンセッションのサウンドとともにすっと耳に入ってくる。
9.なんですか これは ●
バラードの名曲にこれを続けるのが米米らしさ。
高校の時に米米ファンがいたのだが、この曲を歌詞カードなしでアカペラで歌い切った姿を見て、「あ、こいつやべぇ、本物だ」と思った記憶。
悔しくて覚えようと頑張ったけど、あまりのペースに滑舌が追いつかない。
社会風刺っぽい歌詞にもなっていて、もう30年以上前の曲なのに、古さはない(と思う)。
ライブではよくお遊びで使われる曲でもある。
「われこかすでんな〜」と急にフラッシュ金子がシャウトしたのを引き金に歌い始めたり、ステージ上でカールスモーキー石井と誰かが(インドの)ナンで遊び出して、それがこの曲のフリだったり。
多分、米米のメンバーはこの曲大好きなんだと思う。
10.FRANKIE,GET AWAY!
軽い男シリーズ。
サビ前に入るシュークリームシュのパートとの掛け合いのような構成が新鮮。
11.僕らのスーパーヒーロー ○
隠れた名曲の一つ。
賞賛を浴びて輝くだけがスーパーヒーローではない。
むしろ、日々のちょっとしたことを救う存在だって、スーパーヒーローになり得る。
そんなスーパーヒーローは、AカッコC(ええ格好しい)でもなければ、とんでもないことでもない。そして、誰も見てはいないのだ。
矛盾なことを言うが、この歌は”アンサング・ヒーロー”を歌った歌なのだ。
12.いつのまにか ○
ハミングで始まる静かな曲。
小曲ながら、愛し合う二人が運命に翻弄されるドラマが目に浮かぶようである。
そしてハミングで静かに終わる。
13.宴(MOONLIGHT MARCH)
1分に満たない超小曲だが、米米の世界の入り口を軽やかに開いてくれるような曲。
このアルバムでは終盤の曲だが、ライブのスタートになってもおかしくない。
ということは、ここからがボーナス・ショータイム(一般的にアンコールと言われているヤツ)というイメージなのかもしれない。
14.I'M A SOUL MAN
軽い男シリーズ。
言っておくが、「軽い男シリーズ」とは、私が勝手に分類して命名したもので、公式ではない。
でもカッコいい。
ジェームス小野田の歌声が随所に響くのもシブい。
15.MY SWEET SWEET SHOW TIME ○
2分強の小曲だが、心に沁みるメロディーと優しく包み込むメッセージが、ステージから客席へと響く。
カールスモーキー石井とジェームス小野田のデュエット。
目を閉じて聴きたくなる名曲。
とあるライブで、この曲を全メンバーのアカペラで歌ってくれた時は、CDとは比べ物にならないくらい沁みた。
【まとめ】
米米のアルバムの中で、最も米米らしさを凝縮した1枚となっている。
米米CLUB全アルバムの中で、私史上第1位のアルバム。
このアルバムのレビューを書きたくてこのマガジンを立ち上げたといっても過言ではない。
「ライブこそ米米、アルバムはノベルティ」と割り切っていた米米。
前作の「KOMEGUNY」はノベルティとしてどうまとめるかに挑んでいた感じだったが、今作はライブをCDにしたらどうなるかに挑んで成功した感じがある。
このアルバムの収録曲だけでライブやっても、かなり得点高いのではないか。
ジェームス小野田のボーカルも程よく収録され、そのいずれもでジェームス小野田のいいところが存分に発揮されている。
「米米のアルバム、ベストじゃなかったらどれ聴けばいい?」と質問されたら、その答えは
「GO FUNK」
一択である。
ジャケット
写真だと伝わりづらいかもしれないが、文字の部分が切り抜きで、内側の金色が別紙になっている。