それは遥かに親心
子役として活躍した子どもが、後に大人の俳優としても活躍する姿を見ると、全くの赤の他人であるにも関わらず、なんだか親戚の子が大きく成長するのを見届けているような気持ちになるのは、自分が親となり齢を重ねた証なのだろうか。
今(2024年)中学・高校生あたりを育てている親の多くにそんな思いを抱かせているのは、おそらくこの俳優だろう。
福原遥、25歳…
え、25歳?…大きくなって…
我々世代にとって、彼女は“まいんちゃん”である。
NHK・Eテレの子ども向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(2009〜2013)で、主演の柊まいんを演じていたのが福原遥だ。
アイドルという設定にピッタリのキラキラした容姿と甘くも爽やかな声。そして表現力。
対象年齢の子どもだけでなく、その親の心も鷲掴みにした。
柊まいんを卒業した後、同じEテレの「すイエんサ〜」に出演した際は“はるん”と呼ばれていたが、Eテレということもあって“まいんちゃん”のイメージはなかなか離れなかった(のは私だけ⁉︎)。
私個人的には、あまりドラマは観ないし、モデル雑誌を眺めるわけでもないし、ガッツリチェックしていたわけでもなかったので、すイエんサーの後はしばらく姿を見ていなかった。
久々に福原遥の姿を観たのは、「3年A組ー今から皆さんは、人質です」だ。
かなり複雑な込み入ったシリアスな役どころを演じる姿は、まいんちゃんとは全然違うのだけれども、それでもどこかでまいんちゃんとして応援してしまうところがあって…
そしてその後、朝ドラのヒロインを勝ち取り、映画の主役を張り、もう俳優としての地位を確立しつつあると言っていい活躍である。
そもそも、Eテレの子ども向け番組に無名で出て、その後大成するってあんまりない気がするんだよね。特に子役。
それが、まいんちゃんはまいんちゃんをきちんと卒業して期待の若手俳優・福原遥として活躍をしている。
「あの“まいんちゃん”の子だよね」と言われなくても通用するほど大成したのが嬉しい…
…けど、ちょっと寂しくもある。
どんどん手を離れていくような寂しさ。
元々手どころか影に触れてすらなかったのに。
ところで、福原遥にとって“まいんちゃん”はどんな過去なんだろう?と気になったりした。
まさか“黒歴史”みたいな扱いしてたらどうしよう…
ちょっとドキドキしながら「福原遥 まいんちゃん」で検索。
福原遥が、「まいんちゃん」は黒歴史などではなく、今に至りこれからを進む大切なステップであると認識していること、「まいんちゃん」と呼ばれることは嬉しいと言っていることがわかると、こちらまでなんだか嬉しい。
それにしても、まいん役を射止めるオーディションに向かう悲壮とも言える決意、朝ドラにかけた強い思いと熱意を知ると、ますます応援したくなる。
福原遥は我々にとってはまいんちゃんである…
…という物言いはもう相応しくない。
かつてまいんちゃんとして我々のハートを射抜き、今はその演技で多くの人の心をつかむ俳優・福原遥である。
ただかわいいからではない。
ただ美しいからではない。
その成長がまぶしい女性として、俳優として。
これからも私は福原遥を推しに推すのである。
最後にひとつ。
本文中、”さん”が続くとうるさいと思って敬称を略させていただいた。
福原遥さんのファンの方々、どうか石を投げるような真似はしないでいただきたい。
痛い!痛いってば!