不動尊を訪ぬれば【えきのほそ道】
降り立ちて見れば、巨きなる店ありて暮らしの趣感ずるに、
鉄路に沿いたる道、さらに趣深げに見ゆるを徒歩(かち)にて進みたる。
暮らしの趣深くして、他所より来たる者の目に留まるものなけれど、それこそ暮らしの安きたることにこそなめれ。
次の列車に会う前に
次の駅に着きたり。
趣変わらぬ気配高ければ、次なる列車に揺られて進みたる。
程なく着きて、名にし負ふ不動目指して街を行く。
しばらく家連なりたる道進めば、やをら緑出で来て、不動の山門に着きぬ。
山門潜たれば、右に御堂を見やれども、左よくよく見るにこれこそ表なる門と覚しき門の聳え立ちたる。
改めて参道を外に向いて参道に入りたる門に出づ。
門を潜りて参道に入れば
赤赤と道示すは地蔵と並ぶ彼岸花なり。
弁天池の辺りを過ぎて
聳える門の脇には、不動の名の由来となりし験者の修行の滝あり。
山門潜れば、居並ぶ塔に堂にとなかなかに壮観なり。
長閑な街の片隅なれど、その壮観な様はいとありがたし。
初め門を違いたれば、やはり何事にも先達はあらまほし。
高根木戸 ー 高根公団 ー 滝不動
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駅名を路線図の通りに並べると「5・7・5」のリズムになることがある。
これを、マニアの間では「鉄道川柳」と呼ぶ。
「えきのほそ道」では、この「鉄道川柳」に雅の文もどきを添えて、更なる普及を図るものである。
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